外国人向け企業研修、何を伝えるべき?教えたい「日本人独特の文化」

外国人向け企業研修、何を伝えるべき?教えたい「日本人独特の文化」

日本という国も独特の文化ですが、日本企業で働く外国人は自国にいてもカルチャーショックを受けるようです。外国人スタッフには自社の文化や人事制度を伝えるだけでなく、日本人はどういう考え方をするのかを理解してもらうための研修を開くことが有意義です。

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ミスコミュニケーションを防ぐために、外国人向け企業研修で伝えるべきこととは?

日本以外で働いた経験がなければ、日本の企業文化がそれほど変わっていると思ったことはないでしょう。「日本人は真面目でよく働く」ということがよく言われますが、外国人スタッフにもそのように働いてもらうには、どんなアドバイスができるのでしょうか?
日本語の標語に沿って日本を見つめなおしてみましょう。

  • 報連相
  • 5分前集合、10分前行動
  • 長幼の序
  • ひとの振り見て我が振りなおせ
  • 行間を読む
  • 阿吽の呼吸
北澤のじ

これ全部、日本以外で他の文化では当たり前ではありません。

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報連相

日本企業は組織として運営することを大切にし、仕事をする上では組織の一部として役に立つという考えがあります。終身雇用制度の名残もあり、組織に家族のような繋がりがある所もあります。

その一方で、外国人は自分が任されている仕事に対して「報告・連絡・相談」をしなくてはいけないという概念があるとは限りません。特に欧米では、個人主義の風潮が強くあります。日本式のコミュニケーションを理解してもらうためには、どういう時に、誰に報連相をする必要があるかをかみ砕いて伝えましょう。

5分前集合、10分前行動

日本の電車の時刻表は世界で最も正確、と言われていますが、それは日本人の性格をよく表しています。

日本企業では、電車の遅れがあったらその証明書を会社に提出しなければいけないほどです。海外のビジネスも時間に正確に行動するというマナーは存在しますが、「1分でも遅れたら遅刻」とまではいきません。時間に遅れることで人の時間をリスペクトしないダメな人だと判断されかねない、という事を伝えましょう。

長幼の序

欧米の文化では、上司の名前を呼び捨てにしたり、冗談を言い合ったりというフランクな関係を持つ場合があります。日本では「上司と部下」という立場があること、それはどういう位置づけなのかを説明しましょう。

さらに「先輩」という観念については理解が難しいかもしれません。長く働いているからと言ってリスペクトが必要というのは変な感じがするでしょう。わかりやすく言うと、組織図で表せる上下関係以外は同等と感じる人が多いでしょう。アジア圏、アフリカ圏では年配の人、目上の人を敬う文化がありますので、この点の理解には苦しまないようです。

ひとの振り見て我が振りなおせ

「礼儀正しい人」になるために、私たち日本人はどういう事を学校で教えられたでしょうか。「元気よく挨拶する」「人の目を見て話す」「聞かれたら返事をする」、などがあります。

それに対し、隣の韓国では目上の人の目を見ることは「反抗の意志がある」とされ、失礼にあたります。礼儀のように「当たり前」と思えることも研修に織り込むと、外国人スタッフは安心して働くことができるでしょう。

行間を読む

日本人は行間を読む、空気を読むことを美徳とするところがあります。「ハイコンテクスト文化」とも言われますが、それは日本が単一の言語を話し日本人同士での文化の差が小さいためにできる技とも言えます。

それに加えてシャイな日本人の気持ちを察するのは別の文化から来た外国人にとっては難しい所もあるでしょう。これについては、受け入れ側の日本人にこの差を伝えてオープンなコミュニケーションを心掛けるようにする必要がありそうです。

阿吽の呼吸

コミュニケーションは言語化されない所にある、と言う意味では「行間を読む」に似ていますが、「あれ」「それ」で伝えることを容認する文化があります。英語、または他の言語を話す方はお気づきのように、日本人同士の会話では主語や未来形が明確にされていなくても問題なく理解し合うことができます。

北澤のじ

日本で育っていない日本語通訳者は、日本人の言っている意図を汲むことが難しいという話をよく聞きます。

受け入れ教育について

以上のことを踏まえた上で、受け入れ教育についてはどういった内容が効果的かを見てみましょう。

  • 遠回しでなく、ストレートにずばりと言うこと
  • 空気を読んでもらおうとせず、言葉にして言うこと
  • 論理的に、筋道を立てて説明すること
  • メールやチャットではなく、面直でものを伝えること
  • 分からない事は質問する、質問させる
  • 大事なことは言い方を変えて3回言うこと

「普通はこうするでしょう」、「こうするのが当たり前でしょう」というフレーズをよく、口にする方は特に要注意です!世界では日本の「常識」は常識ではないということを教育で説明する必要があります。

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まとめ

外国人スタッフと一緒に働く中で一番大切なのはお互いの文化を理解し合おうという気持ちですね。また、自国の文化が正しいのではなく、「自分はこうするけどそういう人だけではない」という謙虚な気持ちも大切です。そういう経験をすると、日本人同士でも「当たり前の事をしていない」「変わったことをする」と思う人に対しても、その人個人のやり方、考え方があるという目で見ることができる良い機会になりますよね。会社がグローバル化をすることで個人も見解が広がり新たな視野が生まれ、より豊かな人生になるはずです。
研修によりチームワークを促進し、皆さんが楽しく生き生きとした職場を作ることを応援しています。

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。