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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。
展示会や初めての商談の際に、自社についての紹介をしたい。そういうシーンで英語の定型文のようなものはあるのでしょうか?情報を提供する順番は、日本の場合と違うのでしょうか? 海外のビジネスマンは、会社の事業紹介や歴史、規模、会社の構造など、海外のビジネスマンはどのような情報を欲しているか。海外ビジネスシーンにおける会社紹介の構成をご紹介します。
5ステップで完結!海外ビジネスの会社紹介
海外で展示会やカンファレンスに参加するからには、企業としての達成目的を持って行くはずです。ゴールは何か、ターゲットは誰か、何を知って欲しいか、または体験して欲しいかが、以下の5つのカテゴリーに一貫して表れるように意識してみましょう。
- 会社概要 -About us
- 会社の使命と価値観 -Our mission and values
- 注目の製品またはサービス -Our products/services
- 会社資料の配布 – Promotion materials (SWAG)
- CALL TO ACTION
会社概要や使命、価値観は一見、いつも同じ定型を使うもの、と思われるかもしれません。しかし提供するサービスと会社の歴史・背景が一致することでより説得力が生まれます。自分が履歴書を作り、面接を受けることを想像してみてください。受ける会社や応募するポジションによって履歴書やカバーレターの内容を変えるのと一緒のこと。すべてのプレゼンテーション、マーケティング資料、セールスピッチから、一貫したメッセージを発信していくことが大切です。
また、展示会ではブースを見た瞬間にその会社が何を売る、どんな会社なのかを理解できることで、展示会の利点を最大限に引き出すことができます。
それでは、一つ一つのカテゴリーにはどのような内容を含むかを見ていきましょう。
1. 会社概要
国内では知られているブランドやサービスでも、海外では知名度がなくゼロからのスタートとなることも少なくないでしょう。その場合は魅力的な会社のストーリーを海外の人にも伝わるようにデザインしたいものです。一般的な「会社概要」は、以下のような内容です。
- 会社がいつ、誰によって設立されたか
- その時代背景、創始者のストーリー
- 現在の業界や市場での位置づけ
- 提供するサービス、種類
- 業績、受賞歴など
2. 会社の使命と価値観
その企業の「ブランドイメージ」はビジネスの進め方の中心となる核となる使命や価値観から生み出されます。これは言い換えると、企業の「DNA」と言うことができます。企業のDNAとはどういうものでしょうか。様々な経済学者による定義を参考にしてみましょう。
個人が「企業全体の使命と課題を理解し吸収」できるようにする「組織を結び付けるビジョン、価値観、目的意識」
「あらゆる組織の実行能力を特徴づける」組織固有の経験の集合
自社で組織を結び付けているものは何でしょうか?組織の末端まで行き届いているそのDNAを一言で言えるように考えましょう。グリーンテクノロジーや多様性などに強いモチベーションを持っている場合はこの観点を絡めるのも良いアイデアです(参考:The 10 principles of a company’s DNA)。
「サム・ウォルトンは先見の明のあるリーダーシップを持った人物であり、当社のビジネスはその成果です。 1962 年に最初のウォルマートがアーカンソー州ロジャーズにオープンして以来、当社はお客様の生活に変化をもたらすことに専念してきました。 現在、私たちは世界中のコミュニティがお金を節約し、より良い生活を送れるよう支援しています。」
事業の歴史と価値観がダイレクトに伝わる、短いけれど力強いメッセージです。
3. 注目の製品またはサービス
時間をかけて開発した製品やサービスであればあるほど、わが子のように可愛くてクライアントに何もかもを知って欲しいという気持ちが出てきます。それをグッとこらえ、「クライアントは何が聞きたいのか」「クライアントにとって有益な情報は何か」を考えましょう。そうすると。製品やサービスについて説明をする際のポイントは「それがクライアントにどういった効果・メリットをもたらすのか」に焦点を当てることが説明の近道という結論に辿り着くはずです。利用した人々の声を紹介する、デモを行うなど、利用者目線で商品やサービスを説明するように心がけましょう。
人が商品を購入する情緒的欲求は、自己欲求・社会欲求・生存欲求の3つに分けることができます。自社の製品をこの欲求に当てはめて分析することで効率よく、効果的なマーケティングピッチが見えてきそうです。
商品の説明が売り上げを大きく左右する代表的なものは、商品を手に取ることができないECサイト。その商品説明のプロ、Shopifyが教えるProduct Descriptionのヒントがこちらのページに記載されています。
ECサイトで売れる商品説明とは?思わず買いたくなる文章の書き方とコツを解説 (2023年5月、Makeshop by GMO)
4. 会社資料の配布
プレゼンテーションの前または企業ブースで配布するパンフレットには、QRコードがついているものがよく見られます。自社のウェブページやラインアカウントなどが即座に登録できるような工夫があることがオーディエンスを顧客へと引き込むポイントにもなります。もちろん、会社資料だけでなく、記念品となる品物をマーケティングのために渡すことも効果的です。英語ではこれをSWAGと呼びます。2023年、欧米のSWAGはどんなものがあるか、こちらのサイトで見ることができます。
5. CALL-TO-ACTION (CTA、行動喚起)
“Buy 1 get 1 free” など、人々が行動を起こすように呼び掛けるスピーチ、文章、行為の事を指します。直接的で明確なメッセージで、聴衆がすぐに行動できるようなインパクトのあるものにしましょう。すぐに行動に移せるものであり、すぐにメリットを得られる必要があります。
英語ではどんなフレーズがあるのでしょうか?数社の例を参考にしてみましょう。
まとめ
展示会やコンファレンスなどに出席する多くの聴衆の前で、短くインパクトのあるマーケティングトークをするのは英語能力も必要ですが、勇気と経験がいるものでもあります。キャッチコピーとなるフレーズは事前に作って十分に準備しておけば、あとは経験を積むだけです。下記のようなテンプレートなども利用しながら十分な準備をし、後は練習をして本番で経験を重ね、自分のものにしていきましょう。
日本人でこういった役割を得意とする方は海外の人に比較すると非常に少ないものですが、自己啓発のためにも是非チャレンジしてみてください。応援しています。
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