みなさんは地震の揺れを感じた時、どのくらい危険度を感じるでしょうか。「あっ、揺れてる」と感じてから「まだ揺れてる、大きくなってきている」と経過を観察して危機レベルを判断していくのが一般的ではないでしょうか。
こういった判断能力は「地震大国」に生まれた日本人だからこそ得られた能力であり、生まれてから地震を体験したことがない外国人にとって「地面に揺すぶられる」というのは、「天地がひっくり返る」ほどの恐怖なのです。そのような非常事態に外国人に状況を説明し、身の安全を確保するにはどんな英語が必要になるのでしょうか。
今回の記事では、4つのステップに分けた「地震発生時に必要な英語」、そして「交通手段の変更を伝える英語」をご紹介いたします。
「緊急時に必要な英語」4つのステップ
地震をはじめとした災害、緊急事態の際は下記4つのステップで外国人の方々をサポートしていきましょう。
- 安心させる
- 安否を確認する
- 状況を説明する
- 安全確保
➀ 安心させる
地震に慣れていない人は、海で溺れた時のようなパニックに陥る場合があります(筆者体験談)。また、恐怖と不安で泣き出す人もいます。そういった人に声をかける場合の英語です。
”Don’t panic”とか”Calm down” という言葉もありますが、パニックになっている人に「パニックになるな!」とか「落ち着け!」とか言うよりも、親身になって優しく声をかける方が、効果的ですよね!
➁ 安否を確認する
「怪我はない?」「痛いところある?」と質問することで相手の平常心を取り戻し、信頼を得ることができます。
- Are you injured? (怪我はある?)
- Did you get hurt? (痛いところはある?)
- How are you feeling? (体調はどう?)
- Can you hear me? (聞こえる?)
- Can you talk? (話できる?)
訳はカジュアルになっていますが、「ですます調」でも言い方は変わりません。
ビジネスで使う英語が普段の会話と違う、ということはありますが、英語には日本語のように敬語との区別が明確でないので、丁寧さはそれほど気にしなくても大丈夫です。
③ 状況を説明する
状況を簡潔に説明しましょう。このように、知っている単語だけでシンプルな文章を作ることができます。単語は、把握できているかチェックしましょう。
- It was ____________. (____________がありました。)
例:It was earthquake. (地震がありました。)
- ____________is coming. (____________が来ます。)
例:Tsunami is coming. (津波が来ます。)
下記の災害用語を組み合わせることで、相手に状況を説明できます。
地震 | Earthquake |
津波 | Tsunami |
火事 | Fire |
台風 | Typhoon |
暴風 | Storm |
洪水 | Flood |
余震 | Aftershock |
- We need to ____________.(____________しないといけない。)
下記の行動を組み合わせることで、相手に行動を促すことができます。
避難する | evacuate |
この場所に留まる | stay where we are |
ここから出る | get out of here |
指示に従う | follow the instruction |
- Don’t _____________. (____してはいけない。)
下記の用語を組み合わせることで、相手に注意を促すことができます。
動く | move |
走る | run |
押す | push |
エレベーターを使う | use the elevator |
慌てて外に出る | rush to go outside |
④ 安全確保
「身を守る」とは言っても、地震の知識がなければ「頭を守る」「テーブルの下に避難する」などの身の守り方がわかりません。詳しく説明するには、以下のような文章が使えます。
- Go under a table.(テーブルの下に隠れて)
- Cover your head with your hands. (頭を手で覆って)
- Stay away from the windows. (窓から離れて)
- Stay away from the shelves. (棚から離れて)
- Watch out for the broken glasses. (割れたガラスに気を付けて)
- Watch your step. (足元に気を付けて)
- We must* evacuate to higher ground.(高台に逃げないといけない)
- We must* go to the emergency assembly area. (避難場所に集合しないといけない)
- We must* go to the evacuation shelter. (避難所に行かないといけない)
- Would you like to (do you want to) come with me? (一緒に来ますか?)
*must 「~しなければいけない」は、should でもhave to でも、言いやすい形で言いましょう。must とshould が厳密に言うと違う、という所はありますが、この場合は同じと見做して大丈夫です。
「危ない!」と声を掛けて注意喚起をするには、このような英語があります。
- 「危ない!」 “Watch out!”
- 「逃げて!」”Run!”
- 「止まれ!」”Stop!”
単語さえ押さえておけば、簡単な文章で充分なコミュニケーションを取れるものですね!
交通手段の変更を伝える英語
私は冬を北海道過ごすことが多いのですが、雪で交通機関が乱れることがよくあります。最近も目的地の途中の駅で降ろされ、猛吹雪の中でわけもわからず立ち往生する外国人に声をかけるシーンがありました。その時に使った英語をご紹介します。
自分の言葉なので「こういう気持ちで言った」という日本語を自由に書きます。
英語では丁寧語とフレンドリーな話し方に大きな差がない、ということを感じていただけたらと思います。
Are you okay? Do you need help?
大丈夫?何か私にできることある?
Where are you going to? Chitose airport?
どこまで行くの?千歳空港?
So, this train no longer goes to the airport and we need to get off here.
あのね、この電車はもう空港まで行かないので、ここで降りるんですって。
It seems like there was a problem with the railway because of the heavy snow.
豪雪で鉄道に問題があったみたい。
Now, we need to take a bus to get to Sapporo station and find a way from there.
まずは札幌までバスで行って、そこから手段を探さないといけないね。
We may be able to find another bus there. There is no bus to go straight to the airport from here.
他のバスがそこで見つかるかも。でも、ここから空港までの直通バスはないの。
Otherwise, we might have to book a hotel in Sapporo.
それか、札幌でホテルを取らないとだめかも。
この文章から、応用できそうな表現をまとめていきましょう。
no longer | もう~しない | it doesn’t というと、その電車が元々行く予定ではなかったように受け取れます。予定が変わったことを強調するのに便利な単語です。 |
there was a problem with | ~に問題があった | どうしてその状況になったのか、と理由を説明してあげられるとベストですよね。 |
because of | ~のせいで | |
we need to/we need to | ~する必要がある | 自分もそうするのであればwe、相手だけであればyouを使うと相手も話が整理しやすくなります。 |
find a way | 方法を見つける | 複数方法があるならfind ways |
may be able to | できるかもしれない | can、と言うと「できるよ」という言い切りになるので注意。 |
there is no | ~はない | ハッキリと言って教えてあげましょう。 |
go straight to | 直通で | directly goes to とも言えます。 |
otherwise | それか、 | 他の手段を提案。 |
might have to | ~しないといけないかもしれない | あまり気の進まないオプションを提案する時に使います。 |
外国語の放送やサインは多くなりましたが、緊急事態に英語で説明することができるドライバーは相当少ないようです。緊急時には、少しでも英語を話せるあなたがこういう説明をしてあげてくださいね。
まとめ
今回紹介した英文は、皆さんが使ったことのある文法ばかりだったのではないでしょうか?
この記事を一度読んだだけでも、簡単に覚えられる程度のものだったと思います。ホテルやレストランなどを経営される方は、トレーニングマニュアルなどに取り入れて緊急事態にスタッフが対応できるように準備をすることをお勧め致します。
英語に興味があるからこの記事を読んだ、という皆さんは、ここで紹介した英語を使って街で困っている外国人を助けてあげてくださいね。英語の案内表示は増えましたが、英語を話す人はまだまだ少ないという印象の日本を変えていきましょう。
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