英語の次に学ぶべき言語は?〜言語学視点からの考察〜

英語の次に学ぶべき言語は?〜言語学視点からの考察〜

現在、7,000 以上の言語が存在しますが、世界人口の半数以上がそのうちの 23 の言語を話しています。最も広く話されている言語は、英語。ネイティブの数は多くはありませんが、英語を公用語とする国、第二言語として話す人口などを合わせると、英語が世界で最も使える言語であることは間違いありません。

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言語学と歴史言語学から考える「英語の次に学ぶべき言語」とは?

英語ネイティブの話者は3.8億人、英語を第二言語として話す人口は10.7億人。英語話者と中国語(マンダリン)話者の人口は、ほぼ同じくらいです。しかし、世界の広範囲をカバーするこの言語の人口は、ネイティブ話者だけで11.4億人もいるのです。

世界で最も話されている言語トップ10

世界で影響力のある言語は4つのグループに分かれる

人間の言語の研究は言語学と呼ばれます。言語が互いにどのように関連し、時間とともにどのように変化するかを主に研究する言語学の分野は、歴史言語学と呼ばれます。歴史言語学は、さまざまな言語が互いに何らかの関連があることに学者が気づいた 19 世紀に科学として発展し始めました。ちなみに、19 世紀で最も影響力のあった歴史言語学者の 2 人は、ドイツの童話の編纂で知られるグリム兄弟です。

言語データベース「Ethnologue」には、142 の異なる言語族がリストされており、その中には 1 つの言語のみを持つ言語もあります。他の言語と分類できず、近縁関係が知られていない「孤立言語」と分類される言語もあります。スペイン北部で話されているバスク語がその1 つです。

Detailed Language Family Map of the World by DataIsBeautiful|| Redddit

そのような言語学の研究の中で、以下の4つのグループの言語が世界で話される言語の中で強い影響力を持っています。

シナ・チベット語族 – アジア

チベット高原から南シナ海までの広大な地域に広がる 400 以上の言語で構成されるこの言語族は、インド・ヨーロッパ語族に次いで 2 番目に広く話されています。これらの話者の大半は、中国語(シナ語系)を母国語とする 13 億人以上で構成されていますが、この語族の他の主要言語には、ミャンマーで話されているビルマ語やチベット語族の言語があります。

ニジェール・コンゴ語族 – アフリカ

ニジェール・コンゴ語族は、アフリカ最大の言語族グループで、話者は 6 億人を超え、これはアフリカ大陸の人口の 85% に相当します。ニジェール・コンゴ語族は、主にサハラ以南の西アフリカと南アフリカで話されています。ニジェール・コンゴ語族の中で最大のグループはバンツー語族で、南アフリカと南東アフリカで話されており、ズールー語とスワヒリ語が含まれます。

ケチュア語族 – 南アメリカ

南アメリカの言語の大部分はスペイン語とポルトガル語ですが、信じられないほど多くの先住民族の言語グループが生き残っています。これらのコロンブス以前の言語族の中で最も広く話されているのはケチュア語族です。ケチュア語族は 15 世紀と 16 世紀のインカ帝国の主要言語として知られており、今日では主にアンデス高原で使用されていますが、アマゾン川流域の広い地域やアルゼンチン北西部でも使用されています。

インド・ヨーロッパ語族

インド・ヨーロッパ語族は、英語、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、ロシア語、ベンガル語など、広く話されている独特の言語を包含する、最も多くの話者数を擁する言語族です。この言語族は 200 年以上にわたって研究されており、非常に多くの原インド・ヨーロッパ語の単語が再構築されています。この語族に属する言語は、ヨーロッパのほとんどの地域、近東の一部、パキスタン、インドにまで広がっています。

北澤のじ

より詳しく言語ファミリーについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。更に古い言語に興味のある方はこちらの記事がお勧めです。

インド・ヨーロッパ言語のファミリーツリー

お気づきのように、インド・ヨーロッパ語族から派生した言語が、世界で話されている言語トップ10の多くに属しています。

ヒンズー語と英語が同じファミリーに属しているのは、意外な感じがしますよね。この語族をファミリーツリーで表すと、このようになります。

A language family tree – in pictures|The Guardian

ヒンズー語の含まれるインド・イラニアンの源となる「アリアン」を話す民族は紀元前500年頃から枝分かれしていきました。その一方、欧州で「ヨーロピアン」として発展し、枝の末端にある英語とヒンズー語は全く違うように発展していったのです。

ここで注目したいのは、英語の隣にある言語グループであるイタリアン・ローマニック。ラテン語の大きな語族で、スペイン語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語などの言葉を含みます。この4つの言語は共通点が多く、一つが話せると他の4つの言語が簡単に覚えられるのです。

Romance languages|Wikipedia
ロマンス言語の話者人口および使用国

北澤のじ

先日イタリアのシチリア島を旅した時は、友人の家族の家でホームステイをしていました。英語の話せない友人のご両親にスペイン語で話すと、大体話が通じたという体験をしました。そのご両親はイタリア語を話しており、歌うような言語は知らない言語のように聞こえましたが、単語はスペイン語かフランス語に似ていたのです。この4つの言語の文法は類似しています。

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まとめ

言語を学ぶ目的が商用であれば、当然目的に合った言語を学ぶことは理にかなっています。しかし、趣味として言語を学ぶのであれば他の言語に応用しやすく発音も難しくないスペイン語がお勧めです。英語の単語とも通じるものが多くあるので、英語を学んだ後であれば無理なく習得できる言語を言えるでしょう。言語を学ぶことは脳の刺激になり、また海外旅行をした時に現地の人とコミュニケーションを取ることができるので、是非挑戦してみましょう。

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。