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謝罪をしたいけれど Sorryしか思い浮かばない!そしてただSorryを連発してしまった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。行きずりの旅であれば気持ちが伝わればOKですが、ビジネスの場面ではそうは行きません。そもそも、「すぐに謝る」癖のある日本人の私たちは、謝る場面を正しく理解できているのでしょうか?
海外クライアントへの「お詫び」気をつけるべきことは?
商品を注文していただいたクライアントへの納品は、正確な数量の商品を時間通りにお届けして喜んでもらいたいものです。それが出来なかった場合、どんな対応をするとスムーズにビジネスを進められるのでしょうか? 海外クライアントに「お詫びする」シーンの心得と英語のマナーをご紹介します。これを知っていれば、トラブルがあっても、顧客との関係を円満に保つことができるはずです。
英語でのお詫びマナー
「書き言葉」と「話し言葉」では、言い方を変えて誠意を伝える
書き言葉は普段使わないような丁寧な表現、”Big words” と呼ばれる格式の高い単語で謝罪の気持ちを表す事ができます。書き言葉の方を使って話してもOKですが、使い慣れている言葉で誠意を伝えることが先決です。
自分が悪くない場合は謝らなくてOK、むしろベター
お客様に対して不都合な状況が発生したことに対して同情はするものの、自社に責任がないのであれば謝らない方がベターです。ただ、発生原因が何であれ、その不都合を解消するためにベストを尽くすことが良いサービスになります。
状況と自社の対応を詳細に説明する
今はどういった状況にあり、それに対して自社がどういった対応をしたのか、新しい日程はどうなのか、といった情報をできるだけ詳細にお客様に伝えましょう。それに対する質問やリクエストには、できるだけ対応しましょう。説明は様々なので英文の例を挙げ切ることはできませんが、基本的な文章例を書きに紹介しています。
シーン別「お詫び」の英語表現
本記事では下記4つのシーンで使用する英語表現を紹介していきます。
- 納期が遅れる時
- 費用が予定よりかかりそうな時
- オーダーと違うものという指摘を受けた時
- 無理難題(納期や予算)を伝えられた時
① 「納期が遅れる時」のお詫び表現
「納期が遅れる見込みです。」
話し言葉 | We found out that the delivery date may be later than it planned. |
書き言葉 | We anticipate some delays in the delivery. |
上記表現で「到着が遅れそうだ」という情報は伝わりますが、理由については触れられていません。予定に相違ができた場合は、それをしっかりと説明すること、その理由について自社に非があるのであれば謝罪することを心掛けましょう。何でも謝ってしまうと、どこに非があるのかが分からなくなり、相手に悪い印象を与えかねません。
A)何故遅れたのか
B)どういう対応をしたのか
C)商品はいつ届くのかを必ず説明して理解を得る
D)その情報を受け取った相手の要望を聞く姿勢
を下記の例のように、併せて伝えることが大切です。
A)納期が遅れる理由は、商品を発送する船が事故にあったことです。
The reason for the delay in delivery is that the ship transferring the product was in an accident.
B)運送会社に確認したところ、商品に影響はないということです。
We confirmed with the shipping company that the goods are not affected by the accident.
C)船舶にも問題はないため、2日後には入港、納期は最大で1週間遅れとなる見込みです。
Also, the ship has no issue so it is expected to enter the port in two days. And the delivery date will be delayed by up to one week.
D)最低必要な分だけでも空輸でお送りする必要があれば対処致しますのでご相談ください。何か他にできる事がありましたら対応させていただきますので、ご相談ください。
If you need us to send the minimum required amount by air, kindly let us know.
Please also let us know if there is anything that we can do to support you.
相手に迷惑がかかる結果になったとしても、自社に非がないので謝る必要はありません。
上記の説明で誠意は十分に伝わります。
② 「費用が予定よりかかりそうな時」のお詫び表現
「~の理由で、費用が予定よりもオーバーする見込みです。」
話し言葉 | We think that the cost will be higher than it planned because of the yen exchange rate. |
書き言葉 | We anticipate the increased in cost than it planned due to the weakening yen. |
ここで大切なのは、何故計画よりも予算がかかるか、ということを説明することです。1 の例と同じで、ここで自社にミスがあったのであればそれに対して謝罪をしますが、この場合では円安が理由なので謝る必要はありません。
もちろん、顧客が再計算をする手間や、発注を取りやめるケースを予想し、もう一言付けたいですね。
「お手数をお掛け致します。コストを下げられるよう、尽力致します。」
話し言葉 | We understand your trouble. We will do our best to lower the cost. |
書き言葉 | We understand your inconvenience. We will endeavor to reduce the cost. |
③ 「オーダーと違うものという指摘を受けた時」のお詫び表現
「間違った品物を発送してしまい、大変ご迷惑をお掛け致しました。」
話し言葉 | We are so sorry for causing you a trouble by delivering wrong items. |
書き言葉 | Please accept our sincere apology for the inconvenience caused by our mistake delivering wrong items. |
書き言葉にSorryを使うとカジュアルに聞こえます。ビジネスメールで顧客に対して謝罪をするのであれば、We apologise、またはPlease accept our apologyのどちらかを使いましょう。
この場合も、お詫びの言葉以上に、どのように対処していつ正しい商品をお客様に届けられるかを説明することが大切です。
A)正しい商品がすぐに用意できるか、またはいつまでに用意できるか
B)配達の方法を少しでも早くすることができるか
C)商品はいつ届くのか
D)この案で進めて良いかどうかの確認
を下記の例のように伝えましょう。
A)在庫にある商品で、ご注文の商品の数量が確保できます。
We have the sufficient stock for the correct items.
B)XXX社の速達便を使うと、一週間でお届けすることができます。発生する費用についてはこちらで負担いたします。
We are able to deliver the products in a week, using the express service of XXX company. And we will take care of the extra cost.
C)商品は1月28日までにお届けできる見込みです。
So, the product will be delivered by 28th January.
D)速達便の使用可をご確認いただけますでしょうか。ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。
Please kindly confirm whether we can proceed with the express delivery.
Again, we sincerely apologise for the inconvenience.
④ 「無理難題(納期や予算)を伝えられた時」のお詫び表現
「大変残念ですが、お客様のご要望にお応えすることができません。」
話し言葉 | We cannot do that, unfortunately. |
書き言葉 | We regret to inform you that we are unable to respond to your request. |
この場合も、コストがかかりすぎるから、人員が不足しているから、などの理由を付け加えることで謝る必要がなくなります。
まとめ
お詫びをするシーンを想定しましたが、殆どの場合は謝る必要がないということがわかりました。
「お詫びする」シーン | 謝る必要 |
---|---|
納期が遅れる時 | 場合による |
費用が予定よりかかりそうな時 | 場合による |
オーダーと違うものという指摘を受けた時 | 謝る |
無理難題(納期や予算)を伝えられた時 | 謝らない |
その代わり、特に書き言葉の場合は丁寧な言葉を使って、情報を共有することで誠意を表すことができます。
日本語 | 英語 |
---|---|
申し訳ありません | We are sorry (S) Please accept our apology (W) |
ご迷惑 | the trouble the inconvenience |
どうか | Kindly |
本当に | really, so (S) terribly, sincerely (W) |
~の理由で | because of – (S) due to – (W) |
商品 | the products items, goods |
追加で発生する費用 | extra cost |
配達 | delivery |
遅延 | delay |
大変残念ですが | unfortunately We regret |
詳細を説明する場合こそ英語力が求められますが、長い文章で説明しようとせず、短い文章で段階を追って説明することをお勧めします。
トラブルへの対応方法で会社の真価がわかり、信用を得られるものです。
この記事が、万が一の場合に対して少しでも心の準備ができたと思っていただけたら嬉しいです。
- オンライン英会話比較PLUS(Sorry, apologise, regretの使い分けができるようになる!)
- TORAIZ(ビジネス英語で謝罪するときの5つのポイント、例文12選)
- Indeed(【ビジネス英語】英語で伝える謝罪文の書き方(例文付))
英語コミュニケーションに「OCiETe(オシエテ)」
誠意を込めた謝罪をしたいとき、トラブルの過程を説明する必要があるシーンなどではプロの通訳に任せるのも一つの手段です。
特に正確性が求められる場合は、機械翻訳に頼らずプロの通訳・翻訳会社に依頼しましょう。
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私が考える英語での「お詫びのポイント」は、こんな所です。日本語のビジネスマナーと、違うところはあるでしょうか?