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グローバル展開をお考えの方は、海外の方に名刺を作るために「英語で会社名ってどう書くんだろう?」と悩んだことがある方もいるかもしれません。英語での「会社形態」、「業種」、「役職」のベストの書き方を学んでいきましょう!
ステップ 1 「会社の種類」を英語で書く
自社のグローバル展開をお考えの方は、海外の方に名刺を渡すために「英語で会社名ってどう書くんだろう?」と悩んだことがある方もいるかもしれません。まずは、日本の「株式会社」「合同会社」は英語では何と呼ぶのか、海外ではどのような決まりがあるのか、学んでいきましょう。
日本では「株式会社○○○」(前株)、「○○○株式会社」(後株)のどちらかで会社形態を表すことが法律で義務付けられています。しかし、会社名を英語に変換する場合には法的な決まりはありません。まずは、どのような表記があるのか、一覧表で確認しましょう。
略称 | 正式名称 | 会社例 | 国 |
Co. Ltd. | Company Limited | 株式会社、合同会社 | UK、US、日本、アジア、南ア |
Co. | Company | 株式会社、合同会社 | US、日本 |
Ltd. | Limited | 銀行、株式会社 | UK、AU、NZ |
Corp. | Incorporated | 株式会社 、(合同会社) | 日本、US |
Inc. | Corporation | 株式会社、(合同会社) | US |
PLC | Public Limited Company | 株式会社 | UK |
LLC | Limited Liability Company | 合同会社 | |
K.K. | Kabushiki Kaisha | 日本の株式会社 | 日本 |
世界には、こんなにたくさんの表記の仕方が。でも、会社形態と使われている国を見ていると、自社はどの表記を使うと良いか見えてきそうです。
Co. Ltd. とCo.
Co. Ltd. とCo. は株式会社、合同会社のどちらにも使えて、世界中で広く使われている表記です。日本の多くの企業は、英語表記ではこれをつかっています。南アフリカのほとんどの会社はCo. Ltd.を使います。
Ltd.
Ltd. が圧倒的に多いのは、オーストラリアとニュージーランド。どちらの国のTop 5の会社はすべて「Ltd.」または「Limited」を使っています。会社が有限責任であることを表しています。
plc
plcは、イギリスTop10の会社の殆どで使われています。「Public Limited」は、株式を公開していることが表記されています。
LLC
LLCと聞くと、Google LLCを思いつく方が多いのでは。Googleは2017年にGoogle. IncからGoogle LLCへと表記を変えました。この理由には、LLCが「出資を金銭ではなくノウハウや技術などで代替することができる」「利益の分配を自由にできる」という新しい企業形態です。
ステップ2 自社の「業種」を英語で書く
自社の業種についても学びましょう。名刺の会社名を一見しただけでは業種がわからない場合が多いので、業種とサービスの内容がわかるような一行があると覚えてもらいやすいですよね。名刺を受け取った相手が後から見て、サービスの内容を思い出せることが肝心です。
業種・サービスの英語表記は世界標準「GICS」でチェック
業種とサービスには、世界標準「GICS」がありますので、こちらを参考にしましょう。GICSは、1999年にS&P社とモルガン・スタンレーが共同で編成した産業分類「世界産業分類基準(Global Industry Classification Standard)」のことです。GICSでは、世界中の産業を10のセクター(エネルギー、素材、資本財・サービス、一般消費財・サービス、生活必需品、ヘルスケア、金融、情報技術、電気通信サービス、公益事業)に分類しています。
以下のようなビジネスに携わる方は特に、名刺の日英表記を検討されることをおすすめします。
- 輸出入関連のビジネス、貿易業
- IT・テクノロジー関係
- コンテンツ制作・配信
- 製造業
- 旅行関連のビジネス
- その他国際的なプロジェクトや外国人を対象とするビジネス
自社のビジネスがGICSではどのように分類されているのか、是非調べてみてください。展示会や、パーティーなどで自分のビジネスを紹介する際にも役立ちそうです。
ステップ3 自分の「役職」を英語で書く
「社長」は英語で何と言う?
実は「社長」は法律用語ではないので、定義が漠然としています。英語では「トップ」にどのような名称があるかを見ていきましょう。
名称 (略) | 用途 | 国 |
President | 組織のトップ | US |
Managing Director (MD) | 組織のトップ | UK |
Exective Director (ED) | 組織のトップ | UK |
CEO (Chief Exective Officer) | 経営陣または組織のトップ | UK、US |
Director | 組織のトップの一人 | UK、US |
分かりにくいのはCEOですね。これは、Presidentが企業のトップ、CEOが現場のトップ、という場合と、CEOが企業と現場のトップを兼任している場合があるためです。どちらの場合でも、CEOを使うと「大企業のトップ」という印象を与えます。
中小企業であればManaging Director、または単純にDirectorを使うことができます。Directorを使う場合は、複数いる経営者の一人、Managing Directorであればその中のトップ、という使分けもできます。
そのトップの補佐役である、いわゆる「副社長」に当たる立場だと、トップの役職の前に「Vice」を付けると「副」という意味になります。
各役職は英語で何という?
国や会社によってそれぞれ呼び方が違い、名刺の肩書を見ても組織形態が分からない場合も多いのですが、以下に一般的な例を挙げました。
日本語 | 英語 |
会長 | Chairman Chairperson |
最高業務執行責任者(COO) | Chief Operating Officer |
最高財務責任者(CFO) | Chief Financial Officer |
執行役 | Auditor(監査) Senior adviser Executive adviser |
部長 | General manager Department manager |
次長 | Assistant general manager |
課長 | Manager |
係長 | Section head |
主任 | Chief Supervisor |
近年は、部下がいなくても「Manager」と付いていることが多くあります。社外の人に紹介する時に聞こえがいいため、与えられた役職に対する満足感を高めるため、という理由から「担当」の代わりにManagerと付けるようです。
まとめ
名刺で一番重要なのは、どの業種の、どんなサービスを提供していて、あなたに連絡するとどんな情報が得られるのか、ということです。海外展開をするために準備した最初の名刺は完璧ではないかもしれませんが、名刺を交換する度に気を付けてチェックをし、トライ&エラーから、ベストな名刺を作り上げていきましょう!
大切なのは、間違えてもやってみることです!
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英語文化では「株式会社」、「合同会社」などの差がないもの、また明記されているものの二種類があることがわかりました。自社にあった表記で、自分の好きな響き、ビジネスを展開したい地域で受け入れられやすい名称を選びましょう。