「中学英語」から「生きた英語へ」。言葉に魂を吹き込む言い換え方

「中学英語」から「生きた英語へ」。言葉に魂を吹き込む言い換え方

中学英語と生きた英語の違いは、なんでしょうか?私はその言葉に話し手の「色」が出ているかどうか、だと思っています。言葉は生きもので、文化、思想、経験、によって変化していきます。アクセントひとつ取っても、その人がどこの出身でどのような影響を受けて来たのかがわかるものです。挨拶の言葉の選び方から、その人の属性が伺えるものです。今回の記事では、その洞察を共有致します。

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「中学英語」を使うのは恥ずかしいことではない!

まず初めにしっかりと理解していただきたいのは、中学英語でも何も恥ずかしいことはない!ということです。よく「日本の英語教育は良くない」、「英語を話せるようにならない」、という議論を聞きますが、中学3年までに教わる文法は日常会話で使う文法を網羅しています。高校や大学で学ぶ文法はその繰り返しであり、文法が一つの文章で複合的に使われ、単語が増えるという、それだけのことです。中学校卒業までに習う英語をしっかりマスターすれば、英語を使って生きて行く準備ができていると私は考えます。この記事を読んで、自分の英語に魂を吹き込むヒントを得て貰えたら嬉しいです。

北澤のじ

日本人の話す英語にその人の性格と経歴が現れることを純粋に楽しんでいます。大半の方はアメリカン・アクセントですが、大学でアメリカに留学したのか、ビジネスでもよくアメリカに行くのかがアクセントと言葉の選び方からわかります。アメリカン・アクセントでなければ、アメリカ以外の国に留学していたのか、独学で語学力を培ったのか、旅をよくする人なのか…、など色々な想像が膨らんできます。仕事の休憩にプライベートな話をしたとき、その真相が明かされるのが密かな楽しみです。そういう私のアクセントは、ブリティッシュよりの低いトーン。元々の日本人アクセントも混じって、なかなか特定しにくいアクセントのようですが、アクセント・チェッカーでチェックすると「72%南アフリカ人」と判定されました。

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中学英語を異なる表現にしてみると?

では、中学校で習う次の10のセンテンス。あなたなら、何て言いますか?

  1. My name is Nozi. 
  2. Nice to meet you. 
  3. How are you? 
  4. Thank you. 
  5. You are welcome. 
  6. Yes, please. 
  7. No, thank you. 
  8. I don’t know. 
  9. Really? 
  10. Good bye. 

ここから、上記のセンテンスについて一般的にはどんなバリエーションがあるかをご紹介します。

1. 自己紹介 “My name is~”を別の表現にすると?

① My name is Nozi.
② I’m Nozi.
③ Nozi. (手を差し出して握手を求めながら)

①は、プレゼンテーションやイベントの始めのスピーチで自分を紹介するような時に使われ、フォーマルな印象を受けます。パーティーで自分を紹介する時などは②や③が一般的でしょう。映画などで、ジェスチャーや間の取り方、表情などを観察してみてください。日本人の自己紹介の仕方よりも「自分を覚えてね!」といわんばかりの印象の強く残る表情をしているのが見えることと思います。

2. 「はじめまして」”Nice to meet you. “を別の表現にすると?

① Nice to meet you.
② Good to meet you.
③ Lovely meeting you.
④ 言わない

「はじめまして」を言うこと自体がフォーマルであり、これを言わない場合もよくあります。私はつい癖で①~③が口を突きますが、あまりにフォーマルで心が入っていないと思われたのではないか、とふと思う時があります。

3. 挨拶 ”How are you?”を別の表現にすると?

① How are you?
② How are you doing?
③ How’s it going?
④ What’s up?

これは話し手とそれを受け取る側の関係性が良く表れる言葉です。なので、親しみを込めるためにも、定型的に①を使うのではなくバリエーションを豊富にして気持ちがこもった挨拶をしたいものです。上記の例では、普通~カジュアルの順で並んでいます。

4. 感謝 ”Thank you.”を別の表現にすると?

① Thank you.
② Thanks so much.
③ I appreciate it.
④ My gratitude

英語はThank youがよく使われる言語だと聞いたことがありますので、バリエーションに関係なく①を一日に何度使っても大丈夫です。しかし、ワンランク上のありがとうを伝えるには③を、2ランク上のありがとうを伝える場合は④がお勧めです。

5. 「ありがとう」に対する返事 ”You are welcome.”を別の表現にすると?

① You are welcome.
② No worries.
③ My pleasure.
④ Anytime.

ここでどう言うかには、土地柄がよく表れるといつも感じます。私は南アフリカで使われる”My pleasure”「私がやりたくてやったのです」と言う表現が素敵なのでこれを使っています。勿論やりたくてやったことではなく、多少嫌だけどやった、という時は”It’s okay.” だったり、「お礼を言われるまでもないよ」という気持ちで”No worries”と言ったり、と感情が入るように気を付けて選んでいます。

6. 提案を受け入れる ”Yes, please.”を別の表現にすると?

① Yes, please.
② Yeah, why not?
③ I’d love that.
④ It will be great.

①は「はい、お願いします」にあたるフォーマルな表現です。「チョコ食べる?」のような問いかけに対する答えとしては不自然と言っても良いでしょう。他の例文は②「もちろん」、③「食べたい!」④「それは嬉しい」と言ったニュアンスです。④は直接的なYesではなく、ビジネスの場面で使われることも好ましい表現です。

7. 提案を受け入れない ”No, thank you.”を別の表現にすると?

① No, thank you.
② I’m alright.
③ Maybe later.
これも「チョコ食べる?」の回答を想定しています。②のバラエティとして”I’m okay”, “It’s okay”, “I’m fine”などもあり、欲しいのか欲しくないのか?と迷ってしまう所でもあります。No「要らない」と直接的に言うことを避けてやんわりと言うことが好まれるようです。

8. 質問の答えを知らない時の ”I don’t know.”を別の表現にすると?

① I don’t know.
② I’m not sure.
③ I have no idea.
④ Let me check.

①「知らない」もまた直接的な表現なので、②や③の「よくわからないな」に置き換えると印象が良くなります。また、この一言で会話が終わるよりも、この後に自分が知っていることについてや、自分の思うことを添えると突き放した印象を与えることがなくなるでしょう。

9. 驚いた時のリアクション ”Really?”を別の表現にすると?

① Really?
② I didn’t know that.
③ Who would have thought!
④ Unbelievable.

①は言わないことはありませんが、「Go-toリアクション(よく使うリアクション)」として連続して使ってしまうと不自然な感じを受けます。何でもReally?で返してしまわないように注意しましょう。特別リアクションを撮らずに質問に繋げる方が、会話が自然に流れる場合もあります。

10. 別れ際の挨拶 ”Good bye.”を別の表現にすると?

① Good bye.
② See you later.
③ Take it easy.
④ Take care.
⑤ Ciao.

お別れの言葉も色々ですが、Good byeは日本語の「さよなら」と同じくらい言わないかと思います。この別れの言葉も、土地柄、相手との関係性、自分の色が自然ににじみ出るところです。

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まとめ

言葉に魂を吹き込む方法のヒントを感じ取ることができたでしょうか?繰り返しになりますが、中学英語が悪いわけではなく、恥ずかしいと思う必要は全くありません。どんな表現であっても知っている言葉を使わなければ、そもそも会話にはなりませんよね。聞き手に「この人は英語に慣れていないんだな」と分かることも、それが真実である以上、何も悪いことはありません。経験をして習得して、自分の魂の入った英語を話せるようになることは、素晴らしい目標だと思います。英語を上手く話す必要はありません。英語を自分らしく話せるようになりましょう。

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。