プロジェクトリーダーに英語は必要?プロマネの基礎知識

プロジェクトリーダーに英語は必要?プロマネの基礎知識

北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。

海外進出を考える方は、日本語と英語のバイリンガルである利点からプロジェクトのリーダーとして活躍される方も多いのではないでしょうか。プロジェクトマネジメントにとって重要なタスクをもとに頻出英単語を学んでいきましょう。

仕事をよりスムーズにするプロマネ英語

日本は、世界で一番プロジェクトマネジメントをしやすい国かもしれません。私の専門はプロジェクトマネジメントではありませんが、日本のプロジェクトに関わるときはいつも、日本人の仕事の速さ、コミュニケーションの細やかさと正確さ、連携の良さ、責任感の強さ、そして一生懸命さに心を打たれてしまいます。そんな環境に慣れているだけに、日本のビジネスマンが世界へ進出した時、文化と倫理観の違いに驚いてしまうことも多くあるようです。そんな時に備えて今からプロジェクトマネジメントに関する英語を今から覚えておきましょう。

1.「Project Planning (プロジェクトの計画)」に必要な英単語

Projectには企業などが行う短期~中期の企画と、その企業の事業全体を指す場合があります。プロジェクトマネージャーは、その計画全体の進行を管理し、予算や品質、納期、成果物に対して全責任を持つ役職です。プロジェクト全体を見通した上で意思決定を行い、チームをまとめて、プロジェクトを成功に導きます。

Project プロジェクト

Project scope (プロジェクトの範囲)
「プロジェクトでやるべき作業の明確な範囲、1つ1つの作業、それらの期限」を意味します。「どんな成果物を作るか?」を定義したものです。「定義」はDifinitionsと言います。

Project timeline (プロジェクトのタイムライン)
これは「いつまでに成果物を作るか?」を定義したものです。

Project milestones (プロジェクトのマイルストーン)
マイルストーンとはプロジェクトの進行において重要な節目を意味します。 主に中間目標(the mid-term goal) や遅延できないような工程で使われることが多く、マイルストーンに対する進捗の管理が必要です (Progress management)。長期のプロジェクト (long-term projects)では最終目標までの道のりが長く、目先のゴールが見えにくくなるためにマイルストーンは欠かせません。

Project deliverables (プロジェクトの成果物)
「成果物」とは、プロジェクトを完遂した結果として、得られたものや制作されたもののことを指します。プロジェクトの分野や業種により、具体的に何を指すかは異なります。

Risk リスク

プロジェクトマネジメントでは、リスクは「被害の影響 の大きさ」や「被害が発生する可能性」という意味で用いられます。計画の時点から起こりえるリスクを見通し、リスクを管理・軽減する必要があります。
Risk Management (リスク管理)
Risk assessment (リスク評価)
Risk mitigation (リスク軽減)
Risk analysis (リスク分析)
Risk management plan (リスク管理計画)

Feasibility 実現可能性

Feasibility study (実現可能性調査、フィジビリティ・スタディ)とは、新規事業などのプロジェクトの、事業化の可能性を調査することです。略してFS、F/Sとも呼ばれます。 調査・検討する内容は、事業の外部要因として政治、法制、規制、経済、技術動向、自然環境、社会環境といったマクロ環境、業界の動向、市場調査、競合状況も含まれます。
Feasibility analysis (実現可能性分析)
Feasibility assessment (実現可能性評価)
Feasibility report (実現可能性レポート)

Key performance indicators (KPIs) (主要パフォーマンス指標)

KPIは、目標に達成するために重要な要因を明確にし、プロジェクトの進捗を管理するために重要な指標です。ここで、達成したい目標のことをKGI (Key Goal Indicator)、目標達成のための要素をKSF (Key Success Factor) と言います。言い換えると、KPIはKSFを数値化したものです。その管理推進作業の中では、以下のような単語が必要になるでしょう。
Performance targets (パフォーマンス目標)
Performance measurement (パフォーマンス計測)
Performance tracking (パフォーマンス追跡)
Benchmarking (ベンチマーキング)
Setting Goals and Objectives (目標設定)

2. 「チームの編成 (Creatign a team) に必要な英単語

必要な人材 (Resource)を集めてプロジェクトチームを編成します。プロジェクトのステークホルダー(Stakeholders)とはプロジェクトの成果に関心を持つ人とその成果物を作成するチームを指します。

Resource (人材)

Resourceは資源、財力、富力など、場合によって様々使い方をされますが、プロジェクトマネジメントの最大の資源である「人材」という意味になります。
Resource Allocation (リソース配分)
Resource allocation strategy (リソース配分戦略)
Resource allocation plan (リソース配分計画)
Resource optimisation (リソース最適化)

Stakeholders (ステークホルダー)

通常はプロジェクトチームのメンバー、プロジェクトマネージャー、幹部社員、プロジェクトのスポンサーなどが含まれます。
Stakeholder Engagement (ステークホルダーの関与)
Stakeholder analysis (ステークホルダー分析)
Stakeholder feedback (ステークホルダーからのフィードバック)

Delegation (委任)

Delegate (動詞) とは権限を委任[委譲・委託・委嘱]することです。
Delegation of tasks (タスクの委任)
Delegation of authority (権限の委任)

などの場合に使うことができます。気を付けたいのはDelegateという名詞で、響きは似ていますが企業や組織の「代表」という意味で、representatives, agent, ministerなどの意味があります。

3. プロジェクトの推進・管理 (Drive and manage the project) に必要な英単語

チームメンバーに、システム開発の目的やスケジュール、納期などを説明し、チーム全体で共有します。顧客の要望や決定事項、変更が生じた点などについて、メンバーに随時伝えていくとともに、各セクションの進行をチェックし、プロジェクトが予定どおり進行するように管理します。

Decision-making (意思決定)

意思決定をするためにはその判断に至るまでの過程を明確に説明したり、ステークホルダーから合意を取ったりする必要があります。合意(consensus)は同意(agreement)、と同義で使われます。
Decision-making process (意思決定プロセス)
Consensus decision-making (合意を元に意思決定する)

Problem-solving (問題解決)

あるべき姿と現状の差である「問題」を解決すること。そのためには、真の問題を特定し (Identifying root cause)、真因に対する解決策を講じて実施すること(Implementation of solutions)で、その問題を解決することです。 例えば、売上が足らないという問題に対して、それを引き起こしている真の問題を分析して対策を立てることになります。
Problem-solving skills (問題解決スキル)
Analytical thinking (分析的思考)
Root cause analysis (原因究明分析)
Creative problem-solving (創造的な問題解決)

Change Point Management (CRM、変更点管理)

Change Point Managementは全体のオペレーションに何らかの変化があった場合、品質や生産性を保持するために用いられる管理方法です。現状を4つの要因(4M)に分けて現象を分析します。
Man (人)
Machine (機械)
Material (原料)
Method (方法)

まとめ

プロジェクトマネジメントに必要な単語と基礎をご紹介させていただきました。「聞いたことはあるけれど意味が曖昧だった」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。曖昧だった部分について英語を学ぶことでより深く意味が分かるようになった方がいれば嬉しいです。

私の経験では、海外で仕事をされる日本のビジネスマンは大抵現地のスタッフよりも「仕事ができる」方が多く、この記事に書かれたような用語、使い方は既に知っているという方も多数かと思います。そういう方は是非、ご自分の「マネジメントスタイル」について考えてみて下さい。縦割り社会の日本とは違って、人前で仕事をけなしたり、遅延を注意したりすることはタブーになっています。英語のスキルよりも、現地の人がついてくるコミュニケーションスキルを大事にして、海外で羽を広げてご活躍いただくことが私の願いです。

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歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。