ネイティブなのに違う「イギリス英語」と「アメリカ英語」

北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。

英語は、どの英語もイギリス英語 (British English)か、アメリカ英語 (American English)に分類されます。インド訛り、南アフリカ訛り、日本語訛り、と「訛り」は様々ですが、どのネイティブの英語もその2つに分けられます。まずはイギリス英語とアメリカ英語の違いを分析し、その他の英語の訛りの特徴について見ていきましょう。

「イギリス英語」「アメリカ英語」の定義

英語の始まりは5世紀頃、現在のイギリスの領地を占領したドイツ系アングロサクソン族の言葉が英語の言語の起源です。その後、英語はデンマーク人、ノルウェー人、フランス人の言語の影響を受けて発展し現在のイギリス英語として定着しました。一方、英語がイギリスからアメリカに伝えられたのは、16~17世紀頃。イギリス人がアメリカの大地に到着してから独自の文化が築き上げられ、アメリカの言語としての英語が発展していきました。

そんな歴史背景のため、2つの地方で広く話されている英語には発音や綴りなどの違いが生まれました。また、言語は地域ごとに独自の発展をするために一口に「イギリス英語」と言っても30から40の方言があり、「アメリカ英語」には14から20の方言があると言われています。

この記事では、イギリス英語はPR(Received Pronunciation)、またはQueen’s English、BBC Englishと呼ばれるイギリス島南部の英語の発音を基準とします (参考|Britannia)。アメリカ英語についてはSAE、Standard American Englishと呼ばれる英語が学校や仕事で使われる英語とされており、特定の地域のアクセントがアメリカ英語の基準という意識はないようです。しかし、New EnglandとMid-Atlanticのあるアメリカ北東部がそれにあたるという説もあります。

北澤のじ

イギリス、アメリカの多様なアクセントに興味のある方におすすめの記事をご紹介します。

発音の違いで見分けるコツは?

それぞれの英語の定義ができたところで、今度は二つの英語の違いについて学びましょう。一般的に言われる、最も大きな違いは「r」の発音。イギリス英語ではrを柔らかく発音するのに対して、アメリカ英語では「舌を丸める」ようにして強く発音する傾向があります。

話者のrが強ければ「アメリカ英語」見分けるのは簡単。しかし、先に挙げたSAEではそれほど強くrを発音しません。そんなときは以下のようなヒントを頼りに英語を聞き分けます。

1. 母音の発音「æ」

「Apple」の”æ”の発音を聞くと、イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いが良くわかります。

Listen

Cambridge Dictionary (オーディオアイコンをクリックして音を確認できます)

2. 子音の発音「t」

イギリス訛りの強い人は、tを発音しないので、tの部分に短い間が空くように聞こえます。一方で、アメリカ英語では「t」が「d」に近く発音されます。「Water」の発音が良い例です。

3. 抑揚

抑揚 (intonation) とは、話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすることです。イギリス英語は最初から最後までフラットであるのに対し、アメリカ英語は上下が大きい傾向にあります。特に疑問文ではその差が大きく、イギリス英語では疑問文の語尾を上げないのに対して、アメリカ英語では語尾が上がります。

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その他にも「Data」「Tomato」など、イギリスとアメリカでは違った発音をする単語がいくつかありますので、それを知っていればどちらのアクセントかを聞き分けるカギになります!こちらのビデオの例を参考にしてみてください。

スぺルを見ると違いは一目瞭然

学校で習ったスペリングと違った綴りで書かれた単語を見て戸惑ったことがありませんか? 2つの英語のスペルの違いを挙げるとキリがありませんが、ここでは代表的なものをご紹介いたします。

1. ”-our” vs “-or”

文章を読むとイギリス英語とアメリカ英語の違いはすぐに分かります。上記のfavour/favorのように、UK表記はour、US表記はorで表します。

2. “-s” vx “-z”

単語の最後の音節 (Syllabol) に「ズ」の音が入る場合、イギリス英語ではSを、アメリカ英語ではZを使います。私たち日本人が学校で習うのはアメリカ英語なので、Realize、AnalyzeとZで習いましたが、イギリス英語ではこのZがSになります。

3. その他

それ以外にも「fulfil vs fulfill」、「grey vx gray」、「defence vs defense」、「programme vs program」、とスペルの違いを挙げるとキリがありません。小さな違いに思えますが、ネイティブはこのスペルの違いにとても敏感です。

ボキャブラリーの違いは気を付けて!

「ゴミ箱」、「飛行機」、「アパート」、「セーター」など、日常会話で使われるボキャブラリーはイギリス英語とアメリカ英語で違う場合が多くあります。和製英語にはアメリカ英語が多く使われています。


出典: Love English “British English vs. American English: 40 Differences Illustrated”
北澤のじ

一つの単語がUKとUSで全く違うものを指す、という笑い話はよくあります。その代表的なものが「パンツ」と「ナプキン」。イギリスではパンツは「アンダーパンツ」、つまり下着の事を指すので”What pants should I wear”と言うと「何の下着履いたらいいと思う」と聞こえてしまいます。ナプキンについては、このTrevor Noahのコメディーを観てみてください。Trevor Noahは南アフリカ人でイギリス英語を話すので、彼がアメリカに渡った時にこんな経験をしたそうです。

まとめ

今回はネイティブ英語の代表「イギリス英語」と「アメリカ英語」の違いについてご紹介しました。次回はノンネイティブを含む、各国の英語の違いについてをご紹介してきます。英語コミュニケーションのご参考に、ぜひご覧ください。

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