フランス人は英語嫌いってホント?パリオリンピック実体験レポート

フランス人は英語嫌いってホント?パリオリンピック実体験レポート

こんにちは、のじです。2024年7月26日から8月11日まで開催されたオリンピックで働くために、合計8週間をフランスで過ごしました。普段の生活で触れ合うホテルやレストランのスタッフ、同じチームで働くフランス人クルーや、フランスに長く住む日本人の方とのコミュニケーションを通して、フランスの文化のことが少しわかるようになりました。今回は「フランス人と英語」、「フランス人とのコミュニケーション」についてご紹介致します。

北澤のじ

フランスでは英語が通じない、と聞いたことがありませんか?フランス人とイギリス人ではお互いを良く思っていないというのは今も変わらないようですが…、フランス人は今も英語を話さないのでしょうか?今回の記事は統計に基づいてではなく、筆者の実体験から「ステレオタイプ」の検証をしてみました。

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フランスでは、英語で話しかけたら無視される?

20年~10年前まではそういう印象を受けました。しかし時代は変わったんだなぁ、と英語の普及率に驚きました。パリのホテルやレストランで働く20代~30代の9割以上は英語を話せると言っても良いでしょう。パリ以外では、若い人でも英語を全く理解できないという人は半分くらいいました。

フランスで英語を話す時、どう話しかけるのが正解?

文化に対して敬意を表しBonjour! が良いですね。その後に、Parlerz vous anglais? (パルレヴアングレ?)「英語を話しますか?」をとフランス語でワンクッション置くと礼儀正しいさが伝わるでしょう。フランス語で話を始めなくても無視されることは余程ありませんが、年配の方には特に聞いた方が丁寧かな、という印象を受けました。言葉を変えると、中には英語で話しかけると嫌な顔をする人もいます。頻度は少ないですが、ステレオタイプはあながち間違いではありません。

下手なフランス語を話すと嫌がられる?

これは、私の下手なフランス語よりも英語で話した方が効率良いのは確かなので、何とも言えないのですが…。外国人がフランス語を話していると、英語に切り替えられるというのはよくあるそうです。パリで知り合ったドイツ人は「私のフランス語の方が彼らの英語よりもずっと上手いのに、いつもフランス語に切り替えられて悔しい!」と言っていました。

年配の方は英語が話せない?

パリで過ごした8週間で、「英語は無理だよ!」と両手を上げて言葉を遮られた回数は、両手で数えられるほど。「英語はほんの少ししか話せないよ」と言った人は、英語でコミュニケーションを取ることが嫌なわけではなく、本当に自信がないようでした。でも、その時だけがフランス語を練習するチャンス!フランス語を練習したい人はパリではなく田舎に行かないといけないようです。

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フランス人はシャイ?

フランス人が英語を嫌いだと思われる原因には、フランス人がシャイだからだという噂もあります。確かにフランス人はアメリカ人のようにニコニコしている人よりも、シリアスな顔をしている人の方が多いように感じます。

フランス流の挨拶

日本人は初めて人に会った時は会釈をするのが一般的です。外国人との挨拶は、握手なのか、ハグなのか、またまたチークにキスなのか、迷ったことはありませんか?
フランス人は、「エアーキス」を右と左の頬に一回ずつ。実際に頬にキスするわけでなく、頬が触れ合う位の近さで「チュッ」と唇を鳴らして右左に移動します。ハグはよほど親しい仲でないとしないとか。シャイだから、という理由からではないかもしれませんが、人との距離、パーソナルスペースがあまり近くないとは言えるかもしれません。
(世界一フレンドリーな南アフリカ人に慣れている私は少し冷たく感じました。)

突然話しかけたら、どんな反応が返ってくる?

話を聞こうとしてくれますし、何かお願いをしていれば助けてくれようとしてくれます。特別笑顔でもなければ、特別嫌な顔ではない、ニュートラルな印象をいつも受けました。海外では少し話かけたきっかけから話が弾む、という事がよくあるのですが、フランスではそういう機会が極端に少なかったように思います。

フランス人の性格は?

もちろん色々な性格の人がいますが、大きな声を出す人が少ないと思いました。イタリアやスペインのラテン系とは明らかに違って、感情表現が控え目のようです。でも自分の意見を持っていて、意思表示は明確です。日本に長くいると、自分の言いたいことを言わない文化に慣れてきてしまうので「自分の思ったことを言ってもいい安心感」は新鮮でした。

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フランス人とのコミュニケーションで気を付ける3つのこと

フランス滞在を通し、フランス人と接する際に気をつけた方が良いと感じた点を3つにまとめました。

ルール1 謝らない

「謝った方が負け」と言っても良いでしょう。状況を理解して可哀そうだな、と思うことに対してはI’m sorry と言ってはいけません。どうしてその状況になったのか、それに対して「大変だったよね」と言うことはあっても、本当に自分の責任でその状況を作り出したことに謝罪する時以外はI’m sorry は言わないことが賢明です。

ルール2 独り言にも注意

「明日買い物に行かなきゃ」と言ったら「自分に買い物を頼んでいるのかな?」と思うようです。私がただの話として口に出したことを「自分に頼まないなら言わないよな」と受け取られたようで「頼まれている」と解釈されたことが何度かあり、トラブルの原因になってしまいました。

ルール3 飲みニケーションはご法度

日本人が特に飲みニケーションが好き、ということがあるようですが、フランスでは特に仕事とプライベートを分けるようです。つい日本人の癖で「今度一緒に一杯行きましょう」と言ってしまいそうですが、それは避けた方が無難とのことでした。

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フランス渡航時に学んでおくと便利な「フランス語」

パリオリンピックでの仕事の依頼を頂いた今年2月から仏語の勉強を始めました。問題集を買って文法の基礎を学び、学習アプリをインストールして、Youtubeを聞きながらシャドーイングをして、辞書を使いながら「アルケミスト」をフランス語で読み…、英語勉強でお勧めしていることを実践していきました。しかし、Bonjourと言うだけで初心者だとバレてしまい、英語で対応されるのです!結果、思ったよりも全然練習できなかったのでした。

しかし、毎日ホテルの朝食で使う言葉などは勿論フランス語を使いました。でも、慣れるまでは口が回らないし、突然頭が真っ白になるし、言語を習得する難しさ、どれだけ勇気がいるのか、ということを再度実感しました。

これさえあれば旅ができる!必須センテンス

6週間もいて、これしか覚えていないのか…と少し残念には思いますが、下記のセンテンスが実際に使えるようになったもの全集です。大体どこの国でもこれだけあれば旅ができるかな、という程度かと思います。英語を見て、そんなの簡単!と思う方、世界のどこでも旅ができますよ!この文章と動詞30個くらいあれば、旅に必要なことは殆ど話せます。

英語フランス語実用例日本語訳
1I wantJe veux de l’eau.水が欲しいです。
2I’d likeJe voudrais de l’eau.
3Can I have – ?Puis-je avoir une allonge.コーヒー貰えますか?
4Do you haveAvez-vous bier?ビールはありますか?
5Is it possible-?Est-il possible d’utiliser les toilettes?トイレを使ってもいいですか?
6There is –Il y a un problème.問題があります。
7No problem.Pas de problème.問題ありません。
8I’m looking for-.Je cherche ça.これを探しています。
9I will take this.Je vais prendre ça.これを買います。
10I’ll pay with card.Par carte, si’l vous plait.カードでお願いします。
11I need a receipt.J’ai besoin du ticket.レシートを下さい。
12Let’s go.Allons-y.行きましょう。
13I’m sorry.Je suis désolé.ごめんなさい。
14Excuse me.Excusez-moi失礼します。
15Ok.D’accord.OKです。
16I understand.Je comprends.わかりました。
17Me too.Moi aussi私もです。
18With –Avec plat.食事と一緒に。
19See you tomorrow.À demain.また明日。
20Have a good day/eveningBonne journée/ soirée.良い日を/夜を。
補足情報

1. I wantと言うと直接すぎて失礼、とよく言いますが、フランスではそうではないようです。テイクアウェイのカウンターで注文するお客さんが使っていたので自信を持って使えました。

3. Allonge というのは「長い」という意味で、エスプレッソに対してアメリカ―ノがこう呼ばれます。

8. 何か探しているものがある時は写真や実物を持って「これ」と言いました。無理して発音しても通じない場面がたくさんありました。

10. 英語では「クレジットカードで払います」はPay with card. と言いますが、フランス語ではPay for card. とForを使います。前置詞の使い方は何語でも迷うことが多いです!

11. レシート、と辞書で引くとreçuですが、現地ではTicketを使っていました。

20、21. 日本語では中々言わないHave a good day/evening. これは、毎日のように使いました!笑顔を交わせるチャンスを作る言葉です。

北澤のじ

コーヒーを頼んでオレンジジュースが出てきたり、ボンジュールさえ通じなかったり。フランス語習得はなかなか難しく初心に戻る思いでした。それでもフランス語メニューや書いてあることがわかるようになったり、たまに単語を拾えたりとできるようになったこともあります。

普段記事を通し英語のアドバイスをお届けしていますが、フランス語習得を通じ言語に近道はないと改めて感じました。誰でも新しい言語を話すことは勇気がいるで、恥をかいたりするものです。初めから上手くやろうとするのではなく、少しずつトライアンドエラーを重ねながら言語習得を目指していきましょう。

私はこれから2週間、イタリアでイタリア語に挑戦します!

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まとめ

オリンピックの仕事を通して、フランス人の様々な特性について知る機会がありました。ここで紹介したことはあくまで自分の出会いから得た感覚なのですが、興味を持ってもらえると幸いです!

コミュニケーションに関して、もう一つ。幼少期からフランスに住む、両親が日本人の男性が言った言葉がとても印象的でした。「フランスは良い国ですよ。人種差別のない国で、私も住みやすいです」と。どんな言葉を話そうと、どんなコミュニケーションの方法を取ろうと、これが一番大切なことではないかと感じます。

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。