人事担当必読!外国人従業員と現地スタッフ英語採用面接の質問&回答例

外国人の面接、採用を担当される方の中には、「これまで日本語で同じことをやってきた経験があるから」の方と、「これまでに経験はなかったが英語が喋れるので担当になった」という二通りが考えられます。

どちらのタイプの方にもわかりやすいように、どのような質問を、どういう英語を使って表現したら良いかを見て行きましょう。

どんな質問をすべき?項目別 採用面接で使用する英語表現

採用面接の一般的な質問の内容を種類別に分けると、大まかにわけて次のような種類があります。

  • コミュニケーション能力と人柄
  • キャリアと働き方
  • ライフビジョンと人間性

どれも「適応性」を知るための質問ではありますが、色々な方向性から適応性を見てゆくイメージですね。まずは履歴書に書いてある内容について触れ、その後に経歴と職場での働き方、さらに将来像や人間性、という風に深めていくことができます。

Tier 1: コミュニケーション能力と人柄

ここで聞くことは、履歴書に書いてある情報を自分の言葉で話してもらう、という位の感覚で良いでしょう。既に知っている情報ですが、筋道を立てて説明する能力や、説明している時の表情や仕草から基本的なビジネスマナーや人柄を読み取りましょう。

質問: Tell me about yourself. (あなた自身について話してください。)
回答例 A(英語の先生):

Hi, I‘m John Smith. I‘m an English teacher and am a father of 11 years old girl and 9 years old boy. I started my carrier when I was 19. I dropoed out of the university to follow my passion to travel the world, and became an Egnlish teacher in Thailand. 

(私はジョン・スミスです。私は英語の先生で、11歳児の女の子と9歳児の男の子の父親でもあります。私のキャリアを始めたのは19歳の時で、自分のやりたい事である世界を旅するために大学を辞めてタイで英語の先生になりました。)

異文化あるある

この質問の回答としては名前、最終学歴、職歴などが話されますが、文化によっては自分の家族構成や趣味など、プライベートについても話す人もいます。日本ではこういう場合に家族の事を話すことは殆どないので驚かれるかもしれませんが、それが「普通のこと」という文化もあります。

回答例 B(セールスマネージャー):

Hi, I‘m Emily Parker. I‘m from California, and went to universty in Oxford. After graduating university, I joined marketing company A in Johannesburg and worked as a sales manager for 7 years. 

(私はエミリー・パーカーです。カリフォルニア出身で、大学はオクスフォードへ行きました。卒業してからヨハネスブルグにあるマーケティング会社Aでセールスマネージャーとして働きました。)

異文化あるある

外国では「マネージャー」という役職が必ずしも部下のいる管理職に当たるとは限りません。筆者が南アフリカのヨハネスブルグで働いたとき、スタッフ全員の肩書に「マネージャー」とあり、驚いたことがあります。一人ひとりがフォーカスするタスクがあり、その専門家という意味でマネージャーをつけているということ、また顧客に名刺を渡した時マネージャーの肩書がなければ信用が得られない、という理由からでした。

日本人の面接だと、この場面では「アイコンタクトができるか」、「ハキハキと話すことができるか」という基準が上がってきますが、外国人、特に西欧人はコミュニケーションが得意なので次の点に気を付けると良いでしょう。

  • 自社のイメージに合った話し方、ビジネスマナーを持っているか。
  • 日本人にとって聞きやすい英語を話せるか。
  • 自社のスタッフとチームワークを取っているところを想像できるか

“Tell me about yourself“ の質問にどう答えるか?を教えるこのYoutubeビデオが参考になります。

Tier 2 キャリアと働き方

経歴については履歴書で概要を知ることが出来ますが、どのような社風の会社で、役割をどのように取り組んできたかにフォーカスして質問をしていきます。

「やりがいのある仕事」が“work you enjoy“ となるように、日本語から直訳にならない表現がたくさんありますので、注意してください。

質問例:

Which task, or project did you enjoy the most in the previous job, and why?

(これまでの仕事で最もやりがいのあった仕事と、その理由を教えてください。)

What have you done that shows initiative in your career?

(これまでのキャリアであなたが自発的に取り組んだことは何ですか?)

What are your major strength and weakness

(あなたの長所と短所を教えてください。)

Why did you choose your particular career path?

(なぜこの(方向の)キャリアを選んだのですか?)

Are you willing to relocate?

転勤は出来ますか?)

What style of management gets the best from you?

(どのような管理下なら、あなたの能力が発揮出来ると思いますか?)

回答例:

I am confident that I can… 「私は~をする自信があります。」

I have experience in… 「私は~の経験があります。」

I am accustomed to -ing 「私は~をすることに慣れています。」

I believe that I can… 「私は~をできると信じています。」

異文化あるある

上記の回答例を見てもわかるように、英語だと「これに自信があります!」という表現が多いので日本人から見ると自信過剰、または横柄という印象を持ってしまうかもしれません。しかし、よく言われるように英語文化では自信を持って話すのは当たり前のこと。“I think I can…“ (私は~ができると思う)という言い方を良しとしない文化です。

Tier 3:将来性と人間性

この採用試験を受けた人は、どのような野心を持って何年自社で働くのか?という観点も採用判断には欠かせないポイントですね。

質問例:

What does ‘teamwork’ mean to you?

(あなたにとってチームワークとは何ですか?)

What do you think grows a person in their career? 

(キャリアを積む中で人を成長させるものは何だと思いますか?)

How do you see yourself in 5 years? 

(5 年後はどのような仕事をしていると思いますか?)

回答例:

I would like to be in a management position in 5 years. I will have enough skills and experties in the field by then and would like to pass on my knowledge to the next generation. 

(私は5年以内に管理職になりたいです。それまでには十分なスキルや専門知識を身に付けていますし、次世代にその知識を渡したいです。)

I would like to move from sales to finance department or something related to budget as I would like to strengthen accounting for my growth that contributes to the company. 

(私は販売から経理、または予算に関連する所へ移りたいと)思っています。なぜなら会計の分野で自分を成長させ、会社に貢献したいからです。

異文化あるある
  • 外国は「5年働けばエキスパート」という考えをする傾向にあり。日本の「下積み」「丁稚奉公」の精神は日本でしか通用しないので注意。
  • 「この会社のこの経験を経て自分の夢に到達する」という考えで、いわば今面接を受けている会社も「自分のステップアップのため」という考えを悪としません。「愛社精神」がないのは当たりまえ、「会社は家族」ではありません。
  • 終身雇用が善ではありません。3年~5年の中期計画を立て、その間でタスクを達成してもらう方向で考える雇用形態が相手にとっても好都合かもしれません。

追加で覚えておきたい!リスキーな質問をする時の「予防線」

日本でも、Diversity and Inclusiveへの考慮、セクハラ、パワハラに関するアンテナを張ることは勿論ですが、日本以外の外国の文化とマナーを理解することも大事です。日本はこれを世界基準に持って行くには個々人の努力が必要になります。「聞きたいけど聞きにくい」質問をする時には、こういう言葉を使って予防線を引くことができます。

Can I ask you a personal question?  

(個人的なことを聞いてもいいですか?)

I‘m sorry for being ignorant. 

(何も知らなくてすみません。)

You don‘t have to answer if you don‘t want to. 

(答えたくなければ答えなくて結構です。)

I apologize if I have offended you. 

(嫌な気持ちにさせたとしたらごめんなさい。)

センシティブなことだと分かっていても、雇用上の理由で宗教、既婚の有無、家族構成などを聞かざるを得ない場合はあります。そういった場合は、「何故その質問をするのか」という理由を付けると良いでしょう。

I would like to know your religion because we need to understand your food restriction and custom. 

(宗教をお聞きしたいです。なぜなら、あなたの食事制限や習慣を知る必要があるからです。)

まとめ

外国人の採用面接をするだけでも、たくさんの文化の違いが見えてきましたね。採用して一緒に働くとなると更にたくさんの違いを見ることになりますが、それにより自分、自社の世界観が広がり、よりよい会社になっていくのではないでしょうか。大変なこともありますが、ポジティブに頑張ってください!

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。