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英語を話していて「今の自分の言い方、相手はどう思ったんだろう」と気になったことはありませんか?英語文化に触れ始めたばかりの生徒さんから最もよく聞かれるのは「どうやったら丁寧に言えますか?」という質問です。相手の気持ちを思いやる日本人の心を、英語でもしっかり伝えたいですよね。
「〜してもらえますか」を正しいニュアンスで伝えるには?
表現が丁寧かどうかを気にするのは、日本人特有の習性と言っても良いかもしれません。聞いているネイティブの相手にすると、こちらがどのように言っても同じ意味なので気にも留めない方も多い。なので、こちらでご紹介するのは、あくまで丁寧語についてかみ砕いたセオリーのようなものですが、是非参考にしてください。今回の丁寧な表現は、「~してもらえますか」と人に何かをお願いするシーンをまとめました。

Please を付けると丁寧になる?
Please send me an email (Eメールを私に送って下さい)。「丁寧」とは言いかねますが、失礼ではありません。特に会話の中で咄嗟に何かを伝えたい、でも考えている時間がない、という場面では安全な言い方です。
Pleaseは「お願いします」、または「~して下さい」と訳されますが、英語ネイティブの中では言い方によっては命令形とほぼ変わらない場合もあります。しかし、英語に慣れていない人が仕事の場面で使う、という意味では活用しやすい単語です。
Can you-?は丁寧な言い方?
Can you send an email? (Eメールを送ってもらえますか?) という表現は、相手に失礼に当たらない表現ではあります。しかし、厳密に言うと「Can」は「~してもらえますか?」というよりは「~できますか?」と、能力を表す表現なので、英語ネイティブに取っては「間違った丁寧語」という解釈もあります。
例えば、Can you swim? (泳げますか?)がCanの正規の使い方。すると、Can you send an email? は、「あなたはEメールを送る能力、または環境がありますか?」と聞いていることになります。




アメリカ英語とイギリス英語で、Canの理解は違います。アメリカでは「~してもらえますか」にCan you-?を使う事にそれ程抵抗がないようです。英語を正しく使うプライドを高く持つイギリス人は、他の表現を好みます。では、丁寧にお願いする場合にどんなバリエーションがあるのか見てみましょう。
CanをCouldに差し替える
Could you-?「~してもらえますか?」は正しい英語です。Could はCanの過去形ですが、これは「泳げますか?」のように能力を問う文章として受け取られることはありません。また、Could you swim?が「泳ぐことができましたか?」という過去形では訳されません。
では逆に、「泳ぐことができましたか?」はどう表現するのでしょうか? ちょっと話はずれますが、その場合は
Did you manage to swim?
Were you able to swim?
Did you get a chance to swim?
または単純に、
Did you swim?
等と表現することができます。
丁寧に依頼する表現
Could you-?は丁寧な表現ですが、丁寧レベルをつけるならば初級と言ったところでしょう。その他の丁寧な表現と、適切なシーンをいくつかご紹介します。
ネイティブがよく使う「~してもらえますか?」の表現は、これ。丁寧レベル1~5(5が最大)です。直訳は日本語としては不適切ですが、フィーリングを掴んでいただけるかと思います。
レベル1:Is it possible for you to send me an email?
直訳:メール送ることは可能ですか?
レベル2:Could I ask you to send an email?
直訳:メールを送ってもらえるか聞いてもいいですか?
レベル3:Do you mind sending me an email?
直訳:ご迷惑でなければメール送ってもらえますか?
レベル4:Would you mind sending me an email?
直訳:ご迷惑でなければメール送っていただけませんか?
レベル5:Will you be kind enough to send me an email?
直訳:ご親切にメールをお送りいただけませんか?
日本語の直訳でも、「丁寧すぎて変?」と思った方はこちらのフォーラムを読んでみてください。




上記の5つの例の中で、Could、 would, という助動詞の過去形が2つあることに気づかれたかと思います。CouldはCan、Wouldはwillの過去形ですが、これは「過去形で言うと丁寧になる」という法則に即っています。
過去形で言うと丁寧になる?
もちろん、過去形がいつも丁寧という訳ではありません。下記の二つの文章を比べてみましょう。
I’m wondering if you can send me an email.
I was wondering if you could send me an emai.
この二つの違いは、一つは現在形でひとつは過去形です。何故過去形だと丁寧になるのか、日本語に訳してみるとよくわかります。
Eメールを送ってくれたら良いのですが。
Eメールを送ってくれたら良かったのですが。
過去形になることで、半ば諦めた印象を受けます。諦めた印象は「送って欲しい」という逸る気持ちを隠すイメージです。
まとめ
このように例を挙げるとキリがありませんが、「敬語が存在しない」と言われる英語でも丁寧な表現はたくさんあります。ただし、冒頭でもご紹介した通り、受け取る側にとってはどう言った単語を使ってお願いしたか、ということはそれほど重要ではないかと思います。言葉は何を言うかではなく、どう言うか。たとえPleaseを使わなかったとしても、ゆっくりと丁寧に言えば丁寧な言葉として受け取られます。正誤に拘らず、声のトーンと言い方に気を付けて、自分の想いを声に表せられる話者になりたいものです。

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