商談時の英語(買い手編)〜すぐに使える英語交渉センテンス~

商談時の英語(買い手編)〜すぐに使える英語交渉センテンス~

海外の輸出業者と英語で交渉、契約を結ぶとなると高いスキルが求められるように思えます。しかし基本を抑えておけば、後は必要なのは度胸だけ!大きな額のお金が動くので契約内容に間違いがあったら…と心配になる気持ちはありますが、大事なことは文書にし、貿易と法律の専門家にお願いすれば大丈夫。ここで必要なのはニーズを伝え、適正価格に合意することです。

商談時の英語(売り手編)〜訪問先で相手の懐に入る英語術 ~
Click me

海外の取引先がやってくる!英語で交渉3ステップ

ニーズを伝える、価格を交渉する、貿易条件について合意する、の3つのステップに分けて必要な英語を学んで行きましょう。今回は例文をたくさんご紹介していますが、自社の状況に近いセンテンスを選んでリストを作り、実践ですぐ使えるようにしておくことをお勧めします。すぐに必要がなくても、一度整理をしておくことでアンテナが高くなり、商談に必要な英語に敏感になっていくはずです。

STEP 1 自社のニーズを伝える

要件を明確にするにはBANT(予算、決裁権、必要性、スケジュール)に基づいて整理してみましょう。売り手からの質問に対処できるよう、自社の状況を表すのに一番近いセンテンスを選び、自社としての回答をシミュレーションしておきましょう。

Budget (予算)を使ったセンテンス

Our budget for this project is 10 million dollors.
(このプロジェクトの予算は1億ドルです。)
We’d like to keep the budget as low as possible.
(できるだけ予算を抑えたいと思っています。)
We don’t have a limit on the budget.
(金に糸目はつけません。)

Authority (承認)を使ったセンテンス

The decision maker is our CEO.
(決定権は社長にあります。)
I have the authority to sign off.
(私は承認する権限があります。)
I am not quite sure the authorisation proceses after my boss’s approval.
(私の上司に承認された後の承認過程は正直わかりません。)

Needs (必要性)を使ったセンテンス

We have needs for a wide range of sizes.
(幅広いサイズにニーズがあります。)
Our needs for this function is not very high.
(この機能に対する我々のニーズはあまり高くありません。)
We have no needs for that much volume.
(そこまでの量に対するニーズはありません。)

Timeframe (スケジュール)を使ったセンテンス

Our expected leadtime is 3 months.
(理想のリードタイムは3か月です。)
We have a tough timeframe.
(私たちのスケジュールはタイトです。)
What’s your leadtime from receiving orders to shipping?
(注文を受けてから発送までのリードタイムは?)

北澤のじ

「売り手」側でよく使う英語については、「商談時の英語~売り手編」でご紹介していますので、参考にしてみてください。

Click me

STEP 2 価格を交渉する

「予算に無理がある」、「〇〇してもらえませんか?」、「良い条件ですね!」それぞれにどんな言い方があるか、英語のバリエーションを見ていきましょう。

「予算に無理がある」と伝える時のセンテンス

We don’t have a lot of budget for this installation.
(この導入にはあまり予算を設けていません。)
We will have to raise more funds.
(もっと資金を捻出しなくてはならない。)
We were not prepared for that price range.
(ご提示いただいた価格帯は我々の想定外です。)
I need to discuss with the team internally.
(持ち帰って社内で話し合います。)
It is way out of our budget.
(我々の予算からかなり離れています。)

北澤のじ

日常会話の英語ではThat’s expensive! (それは高い)というセンテンスがすぐに思いつきがちですが、こういった直接的でない表現を普段から使うようにすると英語のレベルが上がります。

「〇〇してもらえませんか?」と伝える時のセンテンス

Is there any way we can reduce cost?
(どうにかして、コストを抑えられませんか?)
Do you have any idea how to keep the cost under 10 million dollars?
(コストを1億ドル以下に抑える策はありませんか?)
Can you give me the breakdown of the cost?
(コストの内訳を教えてもらえませんか?)
What’s the exchange rate used for this calculation?
(この計算の為替レートはいくらになっていますか?)
What’s the recommended retail price?
(希望小売価格はいくらですか?)
We have to make at least 50% profit.
(最低でも50%の利益を生みたいです。)

北澤のじ

Please give me discount! (安くしてください)をビジネスライクに言うとこんな感じです。ただ値切るのではなく、コストをカットする方法を一緒に考えたいという姿勢を見せることで相手の気分を害さない良い交渉に繋がります。

「良い条件ですね!」と伝える時のセンテンス

I think it is reasonable offer.
(リーズナブルなご提案だと思います。)
It sounds like a good deal.
(それは良い条件ですね。)
We like it very much.
(すごく良いです。)
That’s exactly what we wanted.
(こういうのを探していました。)

北澤のじ

探していた通りの条件ならもちろん、まだ交渉の余地があるものでも「すごく良いです、でも…」とまずはポジティブな反応をするのも交渉の一つの手法です!

Click me

STEP 3 貿易条件について合意する

貿易条件の合意に際し、最新貿易言語インコタームズ2020を理解しておきましょう。

インコタームズ (国際商業条件) は、買い手と売り手が商品の出荷に関する契約を履行するための指針となる、広く認識されている規則です。即ち貿易に関する共通言語のようなもの。前回改訂されたのは2020年で、現在は「インコタームズ2020」が最新です。

引用:Incoterms 2020 Defined – Guide On The Latest Changes (velotrade.com)

10年ぶりとなるこの改訂で最も重要な変更は、FCA (Free Carrier) に関連しています。変更内容は、買い手から運送業者に対してB/L (Bill of Landing) を発行するよう指示できるようになりました。B/Lは貨物が本船に積み込まれたことを証明する信用状のようなものです。

Carrier… 運送業者。Carryは動詞で「運ぶ」、Carrierで運ぶ人。
Bill… 請求書、明細。勘定に関わる証明書。普段は「お会計」の意味で使われる。
Landing… 着陸。Landの名詞は「陸」、動詞は「着地する」。

以前は、この信用状がFOB (Free on Board) のシステムの一部であったため、FCAの方がコンテナでの輸送商品に適しているにも関わらずFOBが選択されていましたが、今回の改訂はそのギャップを埋めるものとなりました。

Board… 飛行機や列車、船などに乗る、または、人を乗せる、という意味。

もう 1 つの大きな変更は、DAT (Delivered at Terminal) DPU (Delivered at Place Unloaded) に置き換えられたことです。以前は、「ターミナル」という言葉が使われており誤解を招きやすかったため、到着する全ての場所を網羅するように変更されました。

Delivered… 配達される(べき)、または配達された。名詞はDelivery「配達」。
Unloaded… 積み荷を降ろす。Loadは動詞「積む」。

さらに、FCA (Free Carrier)、DAP (Delivered at Place)、DPU (Delivered at Place Unloaded)、および DDP (Delivered Duty Paid) では、買い手と売り手がサードパーティを使用するのではなく、独自の輸送を手配することが考慮されるようになりました。

Duty… 関税。他にも義務、職務、責任などの意味がある。

北澤のじ

インコタームズ2020の改訂の詳細、基本的なインコタームズについては、こちらの記事をご参考ください。

Click me

まとめ

今回はたくさんのセンテンスを紹介させていただきました。交渉がどのように進むか読めない中でシミュレーションをするのは中々難しいかもしれません。しかし、日本語と英語を見比べて、表現の方法やニュアンスの違いに注目していただけるとビジネスライクな英会話のためのヒントが見つかるのではないかと思います。皆さんが英語を使うことで世界の市場で自由にビジネスができるようになるための参考にしていただけると嬉しいです。

英語コミュニケーションに「OCiETe(オシエテ)」

Click me

多言語コミュニケーションにお悩みでしたら、プロの通訳に任せるのも一つの手段です。

企業への依頼やコミュニケーションシーンなど、特に正確性が求められる場合は、機械翻訳に頼らずプロの通訳・翻訳会社に依頼しましょう。

OCiETeではオンライン通訳や現地通訳サービスで、言語コミュニケーション課題をサポートいたします。

現地のアテンドや商談時の通訳、会社案内や契約書の翻訳、さらに即戦力人材のご紹介や海外進出に向けた事前リサーチや営業代行も承ります。

コーディネーターが、業界や商品・サービスごとに精通した担当者をシーンや用途に合わせ、ご案内いたします。お気軽にお問い合わせください。

通訳のお見積り依頼はこちら▷

通訳・翻訳に関するご相談
資料請求・お見積りの問合せ(03-6868-8786/平日10時~19時)

ABOUT US
北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。