カタカナは外来語が語源、と言われます。そう考えてほぼ間違いはありませんが、カタカナだからと言って英語で通じるか、というと大きな間違いです。例えば「ホッチキス」はアメリカの会社、E.H.ホッチキス社の製品であるStapler(ステイプラー)を輸入した会社である伊藤喜商店(現株式会社イトーキ)が「ホッチキス」と名付けたことで日本でこの名前が浸透しました。なので、アメリカの会社名であるホッチキスですが、英語で使っても理解してもらえません。
通じないカタカナ英語はどんなものがある?
カタカナだから英語だと思い込んでいた数々の単語をご紹介致します。ゆっくり言っても、一つ一つはっきり発音してもまったく通じなかったアレは、実は英語ではなかったのです。単語編とセンテンス編を、それぞれ見ていきましょう。
カタカナ英語の正しい英語表現 ~単語編~
以下は日常生活やオフィスでよく使うカタカナ英語(単語)です。皆さんも、英語だと思って使ったという経験があるかもしれません。
カタカナ英語 | 英語 |
---|---|
コンセント | Power point, Plug point |
パソコン | PC, Computer |
サイン | Signature |
レンジ | Microwave |
ストーブ | Heater |
ホッチキス | Stapler |
ペットボトル | Plastic bottle |
ビニール袋 | Plastic bag |
カッターナイフ | Knife |
ウインカー | Indicator |
カタカナで意味を覚えてしまっているので英語だと思い込んで使った記憶が鮮やかに蘇りませんか?英語の意味を赤、日本語の意味を青で分けてみたので、どれだけ意味が違うか参考にしてみてください!プラグを指すコンセントは、英語では何と「同意」という意味なのです。逆に「プラグを指す場所」のことはPower Pointと言います。それって、Microsoftのソフトウェアの名前では…?その通りです。とってもややこしい!
コンセントの正しい英語表現=「Power point」
I’m looking for a power point. Do you have any in this café?
コンセントを探しているのですが、このカフェにはありますか?
パソコンの正しい英語表現=「PC, computer」
Let me go back to my PC/computer so that I can see if I got your email.
パソコンに戻って、あなたからメールが来ているかどうか確認しますね。
サインの正しい英語表現=「Signature」
Please put your signature on every page of the contract.
契約書の各ページにサインをお願いします。
レンジの正しい英語表現=「Microwave」
Powerful heaters are necessary in the winter in Hokkaido.
冬の北海道ではパワフルなストーブが必要です。
ストーブの正しい英語表現=「Heater」
Powerful heaters are necessary in the winter in Hokkaido.
冬の北海道ではパワフルなストーブが必要です。
ホチキスの正しい英語表現=「Stapler」
A stapler is one of the essential stationaries in an office.
ホチキスはオフィス用品に欠かせないものの一つです。
ペットボトルの正しい英語表現=「Plastic bottes」
We should reduce plastic bottles to save the earth.
地球のためにペットボトルの使用を削減するべきです。
ビニール袋の正しい英語表現=「Plastic bags」
Would you like to buy a plastic bag for your grocery?
お買い物された商品にビニール袋はお買い求めになりますか?
カッターナイフの正しい英語表現=「Knife」
Can you pass me that knife? I need to cut some paper.
カッターナイフを取ってくれる?紙を切りたい。
ウインカーの正しい英語表現=「Indicator」
While driving, you have to use the indicator when you are making turns.
運転中に道路を曲がる時はウインカーを使わなくてはいけない。
カタカナ英語の正しい英語表現 ~センテンス編~
続いて会話などで使用するカタカナ英語の正しい英語表現を紹介していきます。普段からよく使う表現も多く、カタカナ英語であることを意外に感じるかもしれません。
英語だと意味が異なるカタカナ英語「結果オーライだよ」
「オーライ」はAll right、またはAlrightと書きます。意味は「分かったよ」、「OK」という意味で使われます。
A: I’m sorry for being late.
遅れてしまってすみません。
B: It’s alright. I also arrived 2 seconds ago.
大丈夫ですよ。私も今来たところです。
というように使います。
注意したいのは、LからRへと移行する発音。これは普段使わない舌の筋肉を使い、素早く舌を上から中に移動させなければいけないので英語を話し慣れていない人には難しいでしょう。
英語だと意味が異なるカタカナ英語「お酒飲んでハイテンションになっちゃった」
「テンション」、Tensionは「張り詰めた」という意味で、High tention は「強く張り詰めた」という意味で、1) 糸の張り具合、2) 緊張感の高さを意味します。
1) 糸の張り具合 の例文
The tension of the rope needs to be high when the mast is up on a boat.
ボートにマストを上げる時、ロープのテンションは高くなければいけない。
(→ロープの張りが強くなければいけない)
2) 緊張感の高さ の例文
The tension between the singer and the conductor is raising due to their disagreement of their opinion in music.
歌手と指揮者のテンションは、彼らの音楽に対する不同意のために高くなっている。
(→両者の間に不和が生じている)
英語だと意味が異なるカタカナ英語「ファイト!あともう一歩!」
「頑張れ」の意で使われるファイトは、皆さんもご存じのように「戦い」を意味します。辛い場面で自分と戦え、というような意味が込められているようで、やる気の出る言葉ではありますが、英語に訳すとこういった表現になります。
Hang in there.
「Hang=ぶら下がる」という意味で、そこにじっと片手でぶら下がって耐えて行くというイメージです。
Come on!
「来い!」という声かけは、本気を出してやれ!とけしかけるイメージです。
Let’s go! /Go for it!
こちらもCome on と似ていて、「攻めて行こう!相手に勝とう!」と言って人を奮い立たせる意味があります。
You got this! 「いけるよ!」が私が一番大好きな「頑張って」の表現です。2024年2月にリリースされたアディダスの広告は You got this! というタイトルでした。トレンドになっている表現なのかもしれませんね。是非使ってみてください!You got this!
まとめ
今日は「カタカナではない英語」を紹介しましたが、英語がカタカナになったものの方が遥かに多くあります。そのお陰で私たちの英語の語彙が増えているのですから、失敗を恐れずに使ってみることが正解です。アンテナを高くして「これは英語だと思っているけど、そうなのかな?」、「英語ではどう発音するんだろう」と考えると、あまり間違えることなく英語を学ぶことができます。でも、一番英語の上達が早いのは「間違っても、この機会に覚えられたらラッキー!」と思える人です。So, gor for it!
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上記の例では「テンション」とカタカナで表記しましたが、日本語の「テンション」の意味に慣れていると違和感があるのではないでしょうか。私たちが英語でカタカナ英語を話した時に、相手が感じる気持ちと一緒ですね!