英文開示やIR資料翻訳の重要性と翻訳時の注意点を解説

英文開示の重要性と翻訳時の注意点を解説

2022年4月に東京証券取引所にて実施された市場区分の再編に伴い、IR情報の英文開示(英訳)の義務化が進められる動きになりました。

多くの企業ではIR関連文書の英訳が今後ますます求められてくことになります。

しかし、財務や経営業務に携わる担当者にとって、繁忙期に日本語版と合わせて英語版の資料を作成することは、大きな負担となります。

この記事では、英文開示などIR情報の翻訳を効率化するために、知っておくべき機械翻訳の活用方法、翻訳依頼との使い分け、翻訳時の注意点について解説します。

この記事を読めば、IR分野の英文資料を作成しなければいけないときに、どんな方法が最適なのかを知ることができます。ぜひ最後までご覧ください!

英文開示の重要性

Business scene, seminar or presentation

IR資料の英語翻訳は、海外の投資家が企業の財務内容、企業戦略を迅速かつ容易に理解できるようにするために行うべきことです。

海外投資家は、日本語の理解度はもちろん、文書を解読する専門知識やリソースを持ち合わせていない場合も珍しくありません。

企業は英訳を提供することで、潜在的な投資家の数を増やすとともに、情報開示活動の透明性を高めることができます。

海外投資を阻む不十分な英文開示|日経ESG

日本企業の英文開示実施率の現状

日本国内にある企業において、英文開示を行う動きが日々増加しています。

英文開示を実施している上場企業の割合は、2022年12月時点で全市場で60.4%(前年末比+7.6)、プライム市場では97.1%(前年末比+11.3)です。

参照:日本取引所グループ|英文開示実施状況調査集計レポート

この数値から分かる通り、プライム市場上場企業を中心に、新市場への移行を契機として英文開示を実施する企業が増えています。

これは、上場企業には英訳が義務づけられるという規制があることも一つの理由で挙げられます。

プライム市場に上場する企業にも英文開示を義務付け

2024年1月に、東京証券取引所は2025年3月からプライム市場に上場する全約1600社に重要情報の英文開示を義務付けすることを発表しました。

海外投資家が投資の判断をしやすい体制を整えるために、決算情報などから対象となり、日本文と英文の同時開示を求めることが決まりました。

参照:日本経済新聞|東証、25年に英文開示義務化 プライム1600社対象

英文開示の翻訳について

全ての日本企業が、自社のIR文書をすばやく、正確に翻訳できるわけではありません。

IR情報の翻訳は誤訳が許されない分野で、社内人員だけで英文資料を作成するのは困難です。

そこで、気軽に使える機械翻訳を利用して英文資料を作成する選択肢が挙げられます。ただ、誤訳の許されないIR分野の翻訳で機械翻訳のみに任せても良いのか悩む方も多いでしょう。

結論、英文開示の翻訳は機械翻訳のスピード感と、プロ翻訳者による正確な翻訳を同時に使うことが最適な選択です。

英文開示を機械翻訳だけで訳すには注意が必要

オンライン通訳 注意点

英文開示に機械翻訳を使用する場合、いくつかの注意点をおさえておきましょう。

まず、機械翻訳は必ずしも正確であるとは限らないということです。つまり、翻訳の正確性を確認するためにダブルチェックを行う必要があるということです。

また、機械翻訳では、海外投資家にとって重要な言葉の微妙なニュアンスまで訳すことはできません。

そのため、IR担当者は、文書が透明性を保ち、企業の経営・運営を反映していることを確認するために、文書を見直すことが必要になります。

英文開示は正確な翻訳が絶対

英文開示の資料を作成する場合、必ず翻訳が正確かを確認するこれにより、海外投資家が企業に関する正確かつ最新情報を理解してもらいやすくなります。

さらに、英文資料が正しく翻訳されているかだけではなく、金融庁など、あらゆる規制機関の規制に準拠していることも「正確な翻訳」に該当します。

英語スキルだけではなく、IRに関する知識・情報も持ち合わせていなければいけません。

英文開示はプロ翻訳者に依頼すべき

上記でもお伝えした通り、英文開示は正確性が大事で、機械翻訳で訳した資料もダブルチェックは必要不可欠です。

しかし、チェック時に翻訳後の文書が正しいかどうかを判断するのも簡単ではありません。

翻訳時もチェック時も絶対にミスが許されないシーンでは、プロの翻訳者に依頼すべきです。

IR分野に精通した翻訳者に依頼することによって、正確な翻訳を施すだけではなく、海外投資家がわかりやすいと思える資料になり、企業全体のイメージアップにも繋がります。

英文開示の翻訳はプロ翻訳者に依頼し、短文・単語の確認などは機械翻訳を使うなど、賢い使い分けが大事です。

英文開示など、IR・財務分野の翻訳が必要になったとき、依頼すべき翻訳者の特徴を下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

IR翻訳は正確性とリスクの回避が大事|依頼する翻訳者の選び方を解説

英文開示の翻訳依頼はOCiETe IRがおすすめ!

英文開示・IRに関する翻訳はOCiETeIR

OCiETe IRは、1000名以上いるプロ翻訳者の中からIR・財務分野に精通する翻訳者のみをアサインできます。

翻訳の質、高いクオリティはもちろん、IR翻訳において大切な「機密保持」の体制も整えており「三井住友海上」と提携している「情報漏洩保険」も締結しています。

英文開示などのIRに精通した翻訳者に依頼できるだけではなく、機密保持・情報漏洩の体制も整えていることで、依頼から翻訳まで全面的に安心して依頼していただくことが可能です!

New call-to-action

英文開示の翻訳まとめ

英文開示の重要性が高まっている中で、英文資料の作成では正確さと最新の規制を意識する必要があります。この記事で解説したポイントは以下の通りです。

ここがポイント!
  • 英文開示の実施率は上がり、今後も企業経営において重要度が高まる
  • 英文開示の翻訳は正確さが最重要
  • 英文開示・IRの翻訳で機械翻訳の利用は現状、正確さ・ニュアンスまで訳せない
  • 英文開示は業界・分野にプロ翻訳者に依頼すべき
  • シーンごとによって機械翻訳と人力翻訳の使い分けも◎

OCiETeでは、英文開示の翻訳や投資家面談の通訳など、IR分野に特化した翻訳・通訳サービス
マルチリンガルサポート OCiETe IR】を展開しております。

IR分野において翻訳・通訳が必要になった企業様に、最適なご提案ができますので、お見積り・ご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。

通訳・翻訳に関するご相談
資料請求・お見積りの問合せ(03-6868-8786/平日10時~19時)

ABOUT US
Sano
翻訳・通訳サービスを展開するOCiETeでマーケティングを担当。「世界をシームレスにつなげる」の企業理念のもと、海外企業や外国人とのビジネスに必要な翻訳者・通訳者とのマッチング支援行っています。 翻訳・通訳依頼の基礎知識だけではなく、依頼前に知ってほしいポイントを伝えることをモットーに、情報発信しております。 また海外ビジネスに関するWebメディア「セカイノビジネス presented by オシエテ」の運営も兼務。