日本語も英語の辞書に!海外でも通じる日本の言葉

日本語も英語の辞書に!海外でも通じる日本の言葉

言語は生きているもの。オックスフォード英語辞典(OED)は、四半期ごとの更新で通常数百もの新しい単語、フレーズ、意味を追加しています。OEDの2025年3月改訂版では、約600の新規項目が追加されました。前年2024年版でも600語余りが追加されています。その中には日本語に由来する言葉もあるって、ご存じでしたか?

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世界で高まる日本語への関心

2024年3月のOEDの改訂では、23語の日本語由来の単語が追加されました。この改訂は、OED編集者と東京外国語大学の研究者のコラボレーションによるもので、「日本文化への世界的な関心の高まりを浮き彫りにしている」とガーディアン紙で報じられました。

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2023年版の「日本語英語」

この「日本語英語」のカテゴリーは二つに分けられます。

一つは日本の食文化に関するもので「おにぎり」「どんぶり」「カツカレー」など。「火鉢」という伝統的に利用された道具もありますが、大半は現在ストリートフードとして人気のあるもの、という点が興味深いところ。

もう一つのカテゴリーは、日本文化に関するもので「おもてなし」「金継ぎ」「絞り」などがあります。アニメに関する単語、アニメで有名になった単語なども目立ちます。

全貌を知りたい方は、OEDが日本語英語について紹介するこちらの記事をご覧ください。

歴史を刻んだ「日本語英語」5選

以下の5選は、筆者が20年間英語文化の中で生活し、本当に英語に取り込まれていると感じる単語を選びました。時代の流れの中で突然日本語英語が使われるようになり、日本の文化が世界に影響を与えたことを肌で感じたものもありました。

  1. 禅 (1727~)
  2. うまみ (1912~)
  3. 改善 (1993)
  4. 生き甲斐 (2010)
  5. 絵文字 (2013)

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ZEN (禅)

日本では「禅道」に代表されるこの言葉はインドが発祥で、サンスクリット語に由来します。仏教の伝達と共に中国へと渡り、中国ではChán (禪)と発音されます。興味深いのは、この言葉はインドでも中国でも「瞑想」という意味で使われますが、日本では「瞑想」「哲学」「仏教」という意味があることです。

英語では、”You are so Zen!” と言ったフレーズで使われます。どういう意味でしょうか?「物事に動じない、落ち着いた心を持った人」という意味で使われます。また、静寂な景色を見て”It’s Zen.”とコメントされることもあります。英語では通常、Calmness, mindfulness, detachmentと解釈されます。 「禅」の日本語の解釈である「哲学」について更に掘り下げた意味ですね。非常にポジティブな意味で、日本の美徳として使われます。

UMAMI (うま味)

日本では「うま味」が科学的に証明されたL-グルタミン酸ナトリウムということを知っている方も多いかもしれません。それは発見者であり、この言葉を作った池田菊苗博士が昆布の煮汁を研究し、のちに味の素株式会社へ発展したというストーリーが「日本の十大発明」と呼ばれるほど有名だからでしょう。

うま味は現在でも世界的に普及しているうま味調味料に使われていますが、一般的にはそのような科学的な認識はなく、甘い、しょっぱいではない、何とも言い難いスープの深い味などを表現する時に “This is Umami”と冗談めかして使われる場面に何度か出会ったことがあります。

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KAIZEN (改善)

改善、を訳すと”improvement”ですが、KAIZENの訳は”Continuous improvement”、「継続的な改善」です。それは、一度改善して良し、ではなく、その改善にも更に改善を続けることで企業に利益を生み続けることができる、というトヨタ生産方式の考えに則っているからです。

トヨタ生産方式 “Lean manufacturing”の影響力は日本、また製造業だけに留まりません。アメリカなどの海外の大学では、トヨタ生産方式を専門に教える講師が存在するほどで、製造業以外のビジネスパーソンも哲学としてその考え方を有益と考えています。

「ミニマリスト」を良しとする最近の風潮にも合っているのか、一種の流行り言葉として使われるようです。

IKIGAI (生き甲斐)

IKIGAIは「人生に目的意識を持ち、人生を価値あるものにすること」と日本と同じ意味で使われています。この言葉を一世風靡させたのはこの一冊の本、”IKIGAI -The Japanese secret of a Long and Happy Lifeでした。この本は65言語に翻訳され、世界の本屋さんの店頭に並んでいます。

本の著者はエンジニアのHector Garcia、ライターのFrancesc Mirallestによって書かれています。日本人が長寿の国ということは世界的に有名ですが、その中でも平均寿命の長い沖縄県民の生活や思想についてリサーチをした文献です。

チャート:Mark Winn (本より抜粋)

“日本語では、「生きがい」は「生きる」と「甲斐」を組み合わせたもので、「甲斐」は「人生」を意味します。「甲斐」は「甲」(鎧)、「一番」、「先陣を切る」(リーダーとして率先して戦いに臨む)を意味し、「斐」は「美しい」または「優雅な」を意味します。”と書かれています。

日本語でも一般的に使われる言葉ですが、外国の方がこの言葉に感化され、このように説明をするというのは背筋が伸びる思いですね。

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EMOJI (絵文字)

主に携帯電話でのメッセージのやり取りで使われる「絵文字」は2010年のUnicode標準化と2011年のApple iOSへの統合により、世界的に普及しました。OEDに追加されたのは2013年です。

発音は「イーモジ」と呼ばれます。あまりにも浸透しているためか、これまでご紹介した単語とは違って、日本語に由来していることは意外に知られていないようです。世界的に利用されているSNS、WhatsAppでは、お雛様や提灯、おでんやおにぎりのような絵文字があり、利用者は不思議に思っていたということがありました。

まとめ

ドイツ語やラテン語のように、元々英語の起源となっている言語が英語でもそのまま使われていることがありますが、日本語も英語として使われているのが面白いので今回の記事を取り上げてみました。読者のみなさんも、何か面白いこと、読みたい記事などがあれば、是非リクエストなどをお寄せください。

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北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。