人事部門で使う必須英語〜海外で知っておきたい人事情報もご紹介〜

北澤のじ
歴史と文化と自由に興味を持ち、ヨガとキャンプとお酒を愛するDigital Nomad。通年20年、50か国以上での海外経験があり、南アフリカの市場調査、フリーランス通訳、英語塾経営を通して日本企業の海外進出、日本のグローバル化を応援しています。 通訳としては、社内通訳7年、フリーランス通訳8年の経験があります。20代にバックパッカーで世界を旅行していたら英語脳が作られ、大企業で同時通訳をさせてもらえるようになりました。アフリカ英語塾の塾長としてアフリカの講師と一緒に英語を教え、誰でも英語が喋れるようになることを伝えています。

企業にとっての財産である人材を管理する人事業務。ひとことで「管理」と言っても、人事企画から採用、労務管理、人事制度管理、人材育成など多岐に渡ります。

これらが企業で働くための魅力であり、優秀な人材を確保し高い競争力を保つための重要な要素となるため、人事に関する英語をしっかり押さえておく必要があります。

海外事業体の人事部門に駐在員として派遣される方もすぐに必要となる基本用語を集めました。

そもそも日本と海外の「人事」に違いはあるの?

人事の仕事や責任は日本も海外もあまり変わりはなく、海外の企業でも下記のイメージがそのまま通用します。ただ、通例や慣習については大きな違いがあり、日本の常識は通用しないことが多いので、注意をしたいところです。

出典:Forbes Japan Career 「人事の仕事 必要な能力・身につくスキル・キャリアプラン」
北澤のじ

私は南アフリカに所在する日本企業で通訳として通算10年務めましたが、働き方などの「社会人としての常識」と思っていたことが日本のみで通用するのだということをいつも思い知らされました。
大まかに言うと、「人生で一番大切なものは家族」と考える南アフリカ人が、効率と利益を求めがちな日本企業と違う考えや行動に繋がると感じました。正解・不正解にこだわらず相互理解を目指すためにも、英語スキルを磨いておきたいものです

海外の人事情報&必須英語を習得しましょう!

これから分野別で、海外で知っておきたい人事情報&用語クイズをご紹介していきます。用語を習得していきながら、日本と海外の人事問題の違いについてもぜひ知ってみてください。

採用 Recruit

欧米では、日本のように在学中から就職活動をしたり、新卒大学生が採用試験に臨んだり、というような慣習自体がありません。

大学を卒業してから自分のやりたい事を探すために旅行をしたり全く違う分野の勉強をしたりする人も多くあります。しかし、大企業では契約、正社員という雇用形態について話し合われる場面があるでしょう。

用語クイズ(採用編)

下記は採用シーンでよく使われる単語です。どれくらい英語で言えるかチェックしてみましょう!(答えは日本語一覧の後に記載しています)

①就職活動
②採用試験
③採用選考
④人材
⑤中核人材
⑥新卒採用
⑦即戦力
⑧中途採用
⑨求人広告
⑩契約社員
⑪派遣社員
⑫入社
⑬プロパー社員

【答え】
➀job hunting/ job searching
②recruitment examination
③employment screening, selection
④human resources
⑤key persons
⑥freshman
⑦immediate asset
⑧mid-career recruitment
⑨job advert
⑩temporary worker
⑪temporary worker from agency
⑫join the company
⑬該当なし

【ここが違う!日本と海外での考え 〜雇用制度〜】

近年は日本でもキャリアチェンジが一般的になり、ベンチャー企業では特に「中途採用」という概念が変わってきたのではないかと思います。アメリカでは仕事先を変えるのは一生に6回から10回と言われており、1社に対する平均勤続年数は4年程度です。なので、mid-career recruitmentという言葉自体が使われることは少ないかもしれません。

また、日本では新卒入社の社員や正社員を「プロパー社員」、つまり「まともな」、「正当な」社員と呼ぶことがあります。これは新卒から定年まで会社に勤める「終身雇用制」が慣行していた日本らしい考え方です。

人材育成 Human resouces development

人材育成計画がしっかりしているのも日本に根付いた終身雇用制のためと言えます。日本の人材育成は企業の未来を見据え、各社員の将来の位置を考えます。

それに対して海外の企業では、スキルを取得したら別の会社で現在の位置よりもより高いポジション、年収が取れる会社に移ることが当たり前と考えています。

用語クイズ(人材育成編)

下記は人材育成シーンでよく使われる単語です。どれくらい英語で言えるかチェックしてみましょう!(答えは日本語一覧の後に記載しています)

①研修
②従業員
③企業
④成長
⑤現場
⑥中堅社員
⑦管理職社員
⑧外部企業

【答え】
①training
②employees
③business, corporate, company
④development
⑤On the field, on the shop floor, at the site
⑥middle level employee
⑦management
⑧Outsourcing company, supplier

「会社に行く」の「会社」は、Business, corporate, company?

Business, corporate, company 3つどれも一般的ではありません。「会社に行く」は”I go to work.” Workを名詞で使います。実際の建物をイメージする時はCompanyまたはOffices、概念を表す時は単にWorkと呼ぶことが一般的です。会社=Companyではないので、注意!

ちなみに、語源は「共に(com)パン(pan)を食べる」→「仲間」→「会社」へと派生したそうです。Corporateは大企業のことで、”Corporate responsibility” 「企業的責任」など、会社の社会的な立場を話す時によく使われます。それに対しBusinessは、数人で運営する小規模な会社の事を指すことが一般的です。

人事企画 Human resources planning

先に挙げたように、海外での人事は人材の育成よりも人材の確保と配置に重点を置くところがあります。ヘッドハンティングをすることも多くあるでしょう。

用語クイズ(人事企画編)

下記は人事企画シーンでよく使われる単語です。どれくらい英語で言えるかチェックしてみましょう!(答えは日本語一覧の後に記載しています)

①経営目標
②評価指標
③人員
④人員配置
⑤採用計画
⑥部門
⑦経営戦略
⑧事業戦略
⑨経営層

【答え】
①Business objective/ target KPI
②KPI (Key performance indicator)
③headcount
④Allocation
⑤recruitment plan
⑥department
⑦Management strategy
⑧Business strategy
⑨Top management

経営目標は、理念なのか、数値なのか?

経営の目標には、「社会にとって何のためのビジネスなのか」を表す経営理念と、「経営を評価するための指標の目標値」である二つの種類があります。
経営理念を表す場合はCompany goalやBusiness objective、評価指標の場合はtarget、またはtarget KPIを使うと明確に伝わります。

人事管理制度 Human resources management

スタッフ1人1人の業績を評価し、個々が企業の目標に貢献するように管理するのも人事の重要な仕事ですね。

用語クイズ(人事管理制度編)

下記は人事管理制度シーンでよく使われる単語です。どれくらい英語で言えるかチェックしてみましょう!(答えは日本語一覧の後に記載しています)

①業績
②評価
③目標
④目標管理
⑤評価基準
⑥昇格
⑦降格

【答え】
①results, accomplishment, achievement
②evaluation
③target
④target management
⑤evaluation criteria
⑥promotion
⑦demotion

【ここが違う!日本と海外での考え 〜評価・昇給・昇格〜】

私の経験では、海外では評価基準が明確に業績と繋がっているように思えます。これは第一に、評価が直接給与に反映されるという海外企業の特徴にあるように思えます。
日本では業績が昇給に繋がるのではなく、業績が昇格になり、昇格したら昇給という文化があります。第二に、日本企業は長期での人材育成計画があるため、評価が上司に一任される傾向があります。海外ではfavouritism 「ひいき」と見做され、起訴の対象になる場合もあります。

労務管理 Labour management

海外進出先では特に気を付けたい労務管理。日本は企業と組合が良好な関係を保ち、ストライキなどの心配はまずありませんが、まだ経済の安定しない海外では労働組合との闘争の危険があります。

用語クイズ(労務管理編)

下記は労務管理シーンでよく使われる単語です。どれくらい英語で言えるかチェックしてみましょう!(答えは日本語一覧の後に記載しています)

①労働法規
②組合
③労働時間
④給与
⑤福利厚生
⑥社会保険
⑦安全衛生

【答え】
①Labor regulations
②Union
③Working hours
④Salary
⑤Welfare
⑥Social insurance
⑦Health and safety

【ここが違う!日本と海外での考え 〜ストライキ〜】

ビジネスが止まると企業が利益を生むことができないため、経営を続けながら組合との交渉を続けることが日本では慣習となっています。しかし海外では1950年代の日本のような、労働条件改善や賃金交渉のためのストライキが起こっています。
近年の南アフリカでは、3年に一回の組合の交渉でトヨタなどの車両製造業の工場が16日間閉鎖されました。ストライキは東南アジア圏でも可能性の高い状況です。

参考:News24 (21 Oct 2021)

まとめ

海外進出に伴う人事の仕事は、現地で労働法規と人々の慣習を理解することが大きな仕事と言えます。基本的な英語で躓いてしまわないように、基本用語だけでもしっかりと学んでおきましょう!
皆さんが海外進出先で現地の雇用者の考えと文化を理解し、相互に利益のある関係を構築されることを応援しています。

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