海外との商談や会議で「逐次通訳」を依頼したいけれど、同時通訳やウィスパリングとの違いがよくわからない、という企業担当者の方は少なくありません。逐次通訳は、話者と通訳者が交互に話す形式で、正確性を重視する商談や視察でよく選ばれる通訳形式です。
本記事では、逐次通訳の定義ややり方、メリット・デメリット、料金相場、そして発注時に押さえておきたいポイントまでをまとめて解説します。
逐次通訳とは?読み方・英語表記・基本の定義

逐次通訳(ちくじつうやく/consecutive interpretation)とは、話者がひとまとまりの発言をしたあとに、通訳者が区切って訳出する通訳形式のことです。話者と通訳者が交互に発言していくのが特徴で、話者の発言とほぼ同時に訳す「同時通訳」とは対照的な位置づけにあります。
通訳という言葉から一般的にイメージされやすいのがこの逐次通訳で、商談や会議、インタビューなど、正確性が求められる場面で広く採用されています。
逐次通訳の仕組み
逐次通訳では、まず話者がひとまとまりの内容を話し、そこで一旦発言を止めます。その間に通訳者が、聞き取った内容をメモや記憶をもとに整理し、通訳します。通訳が終わると、話者がまた続きを話し始める、というターン制のやり取りが繰り返されます。この「話す→止める→訳す→再開する」というリズムのため、実際の会議時間は通常より長くなる点をあらかじめ理解しておく必要があります。
通訳の3種類(同時通訳・逐次通訳・ウィスパリング)の違い
通訳には、逐次通訳のほかに「同時通訳」「ウィスパリング通訳」があります。
- 同時通訳とは:話者の発言とほぼ同時に訳出する形式で、専用のブースや受信機などの機材を使うのが一般的です。
- ウィスパリング通訳とは:通訳者が聞き手のすぐそばで、小声で同時に訳出する形式で、少人数(1〜2名)向けに使われます。
通訳の3種類を比較すると、逐次通訳は正確性に優れる一方で所要時間が長く、同時通訳とウィスパリングはスピード感に優れる一方で費用や体制面の負担が大きくなる傾向があります。
| 同時通訳 | 逐次通訳 | ウィスパリング | |
|---|---|---|---|
| タイミング | 発言とほぼ同時に訳出 | 発言後に区切って訳出 | 発言とほぼ同時に小声で訳出 |
| 所要時間 | 短い(基準) | 同時通訳の約2倍 | 同時通訳と同等 |
| 正確性 | 中程度 | 高い | 中程度 |
| 機材 | 通訳ブース・受信機が必要 | 不要なケースが多い | 不要 |
| 費用感 | 高め | 低〜中 | 中程度 |
逐次通訳のやり方(プロが使う3つのスキル)


逐次通訳は、単に聞いた内容を訳すだけの作業ではありません。プロの通訳者は「ノート・テイキング」「リテンション」「リプロダクション」という3つのスキルを組み合わせて、正確で聞きやすい通訳を行っています。発注担当者としても、これらを知っておくと通訳者の実力を見極める目安になります。
ノート・テイキング(メモの取り方)
ノート・テイキングとは、話者の発言の中から、数字や固有名詞、キーワードとなる情報を、独自の記号や略語を使って手早くメモに取る技術です。すべてを書き取るのではなく、話の骨格だけを短時間で書き留めることで、後から正確に訳出内容を再現できるようにします。専門的な訓練を積んだ通訳者ほど、このメモの取り方が洗練されている傾向があります。
リテンション(短期記憶保持)
リテンションとは、話者が話した内容を、訳出するまでの短い時間、正確に記憶しておく能力のことです。ノート・テイキングだけでは拾いきれない話の流れやニュアンスを、短期記憶で補いながら訳出します。メモと記憶を組み合わせることで、単語の羅列ではなく、まとまりのある自然な訳出が可能になります。
リプロダクション(通訳の型)
リプロダクションとは、メモと記憶をもとに整理した内容を、聞き手にとって分かりやすい形で通訳しなおす技術です。話者の発言を単語ごとに直訳するのではなく、話の意図や構成を汲み取ったうえで、聞き手の言語で自然な文章として再構築します。このスキルの差が、通訳の「聞きやすさ」に直結します。
逐次通訳のメリット・デメリット


逐次通訳には、他の通訳形式にはない強みがある一方、注意しておきたい弱点もあります。発注する通訳形式を選ぶ際の判断材料として、それぞれ整理しておきましょう。
逐次通訳のメリット(正確性・機材不要・低コスト)
逐次通訳の最も大きなメリットは、正確性が高いことです。メモを取りながら整理して訳出するため誤訳が起こりにくく、契約条件など細部の正確性が求められる場面に向いています。また専用機材が不要のため同時通訳のようにブースやレシーバーを用意する必要がなく、準備の手間を抑えられます。多くの場合1名の通訳者で対応でき、同時通訳に比べて費用を抑えやすい低コスト傾向であるとも言えます。
逐次通訳のデメリット(所要時間が同時通訳の約2倍)
逐次通訳最大の注意点は、話者と通訳者が交互に話すため、実質的な会議時間が同時通訳のおよそ2倍になりやすいことです。1時間で終わる予定の商談も、逐次通訳を挟むことで2時間近くかかるケースがあります。会議を設計する段階で、あらかじめ余裕のあるスケジュールを組んでおくことが大切です。
逐次通訳が向くシーン/向かないシーン
逐次通訳が向いているのは、商談・契約交渉、少人数の会議、インタビュー、記者会見、視察同行など、正確性を重視したい場面です。
一方で、大規模な国際会議やウェビナー配信、時間厳守で進行する講演のように、多くの参加者に同時に情報を届けたい場面や、時間の制約が厳しい場面には向いていません。こうした場合は、オンライン同時通訳の利用を検討するとよいでしょう。
逐次通訳が使われるビジネスシーン


逐次通訳は、正確性が重視されるさまざまなビジネスシーンで活用されています。代表的な3つの場面を紹介します。
商談・契約交渉
契約条件や価格交渉など、一言一句の正確さが結果を左右する商談・契約交渉の場では、逐次通訳が選ばれることが多くあります。話者の発言をいったん区切って確認しながら進められるため、誤解や認識のズレが生じにくく、双方が納得したうえで合意形成を進められる点がメリットです。
会議・セミナー・社内研修
少人数での会議や社内研修、セミナーなどでも、逐次通訳は広く利用されています。参加者からの質疑応答を挟みながら進行できるため、双方向のやり取りが必要な場面と相性が良い通訳形式です。
展示会・工場視察・海外出張同行(アテンド)
展示会でのブース対応や工場視察、海外出張への同行(アテンド)といった、現場を移動しながら通訳が必要になる場面でも逐次通訳が活躍します。移動中の会話から視察先での質疑応答まで、柔軟に対応できるのが特徴です。



通訳の活用シーンや使い方など、さらに詳しく知りたい場合は下記の資料をご覧ください。
逐次通訳を依頼する時の料金相場


逐次通訳の料金は、「派遣型(現地に通訳者が来るタイプ)」か「オンライン型」かで大きく変わります。
派遣型の場合、半日(4時間拘束)で4万円台〜6万円台、1日(8時間拘束)で7万円台〜11万円台が目安です(通訳者のランクにより変動)。オンライン型の場合、1時間あたり1万円台〜3万円台半ば程度から依頼でき、必要な時間だけ利用しやすいのが特徴です。
料金は、言語(英語か希少言語か)、専門分野の有無、拘束時間の長さによっても変動します。より詳しいシーン別の料金目安はこちらでも解説していますので、あわせてご覧ください。
逐次通訳を依頼する時に押さえるポイント


逐次通訳を依頼する際に失敗しないためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
- 専門分野に対応できる通訳者を選ぶ
- 事前資料・専門用語リストを共有する
- 所要時間を通常会議の約2倍で見積もる
- 当日の連絡体制を事前に決めておく
これらを事前に整理しておくことで、当日の通訳品質や進行のスムーズさが大きく変わります。
逐次通訳をオンラインで依頼するなら「OCiETe(オシエテ)」


「OCiETe(オシエテ)」は、契約から通訳業務までをすべてオンラインで完結できる法人向け通訳サービスです。逐次通訳も1時間〜のスポットで発注できるため、単発の商談や視察など、必要なタイミングだけ依頼したいというニーズにも柔軟に対応できます。
逐次通訳を1時間〜のスポットで発注可能
従来の通訳サービスでは、1時間程度の利用でも半日料金からの見積もりになることが一般的でした。OCiETeでは【1時間単位での依頼ができる】オンライン通訳サービスを提供しているため、少額の稟議で通せるスポット案件や、急な商談での逐次通訳依頼にも対応しやすくなっています。依頼によってお得な時間パックも提案できるため、単発から定期利用まで柔軟にご利用いただけます。
2,800名以上の通訳者から専門分野・言語で最適マッチング
OCiETeには、ビジネス経験豊富なプロ通訳者が2,800名以上登録しています。ランクによる検索機能はありませんが、担当コーディネーターが依頼内容や得意業界をヒアリングしたうえで、逐次通訳に適した通訳者を紹介するため、専門分野や言語に応じたマッチングが可能です。
コーディネーターが要件整理から当日進行まで伴走
OCiETeでは、専任のコーディネーターが依頼内容のヒアリングから見積作成、通訳者への事前情報共有、当日の進行確認までを一貫してサポートします。担当者が通訳者を探す工数や、社内稟議のための資料作成にかかる負担を減らせる点も、逐次通訳をスポットで依頼する企業から支持されている理由です。なお、料金は通訳者の時給だけでなく、コーディネート費用や事前準備費用を含めた体系となっています。
まとめ:逐次通訳を効果的に活用するために
逐次通訳について、定義ややり方、メリット・デメリット、料金相場、依頼のポイントまで解説しました。この記事のポイントは以下のとおりです。
- 逐次通訳(consecutive interpretation)は、話者と通訳者が交互に発言する、正確性重視の通訳形式
- 所要時間は同時通訳のおよそ2倍かかるため、余裕のあるスケジュール設計が必要
- 商談・契約交渉、少人数会議、視察同行など、正確性が求められる場面に向いている
- 料金は派遣型かオンライン型かで異なり、オンライン型は1時間単位で依頼しやすい
- OCiETeなら2,800名以上の通訳者から、コーディネーターが最適な逐次通訳者をマッチング
逐次通訳の発注を検討している方は、ぜひOCiETeにお気軽にご相談ください。







とは?-実施方法と特徴を解説-e1666252665145-1-485x273.jpg)


初めて逐次通訳を依頼する担当者の方も、ぜひ参考にしてください。